ミナス・ジェライス州のポウゾ・アレグレで2日夜、建物と建物の間を繋ぐ屋根の上に裸の新生児が置かれており、気づいた女性から通報を受けた警察官が無事に救出するという事件があった。
屋根の上の新生児を見つけたのは、建物の2階に住む23歳の学生のカリーニ・レイス・ペレイラさんだ。外出先から帰り着き、カーテンや窓を開けたところ、屋根の上に何かが置かれているのに気づいた。カリーニさんは当初、人形かと思って様子を見ていたが、手足を動かして泣き始めたため、驚いて警察に通報したという。
駆けつけた軍警のアンデルソン・ソアーレス・シウヴァ軍曹によると、カリーニさんから借りたタオルを手に窓から出て屋根に移り、赤ちゃんの様子を見に行ったところ、へその緒もついた新生児と判明。シウヴァ軍曹は赤ちゃんをタオルで包み、胸に抱いてカリーニさんの家に戻ると、防弾チョッキを取るのももどかしく、階段を駆けおり、カリーニさんに防弾チョッキを持ってきてくれるよう指示。その足で病院に向かった。
赤ちゃんを胸に抱いて暖めながら警察車両に乗り込む時、満面の笑みを浮かべていた同軍曹は、その後のインタビューに「僕が動かしたら、赤ちゃんが僕の指を口に運び、泣き声を上げたんだ。小さな命を救ったんだと思ったら、とても幸せな気分になったよ」と答えている。
救助された赤ちゃんは2450グラムの女児で、小児科のエドゥアルド・マガリャンエス医師によると、出産直後に適切な処置が施されなかったために体温が低下し、血の気がなくなっていたという。赤ちゃんは集中治療室に入院中だが、命には別状はないという。
現場で聞き込みなどを行った市警や軍警は、赤ちゃんの母親はカリーニさんとは別の建物に転居してきたばかりの22歳の学生である事を突き止め、血で汚れた衣類などを押収する一方、母親を赤ちゃんが運ばれた病院に連れて行った。
警察によると、赤ちゃんの母親は妊娠に気づいておらず、急に産気づいて一人で出産したものの、何をして良いかもわからず、自宅のトイレの窓のすぐ脇にある屋根の上に赤ちゃんを置いたという。
母親は既に肉体的な面での検査を受けており、必要なケアを受けた後に退院許可が出るのを待って、逮捕、連行となる。警察は精神分析の結果も待った上で調書を作成するが、今回のケースは養育放棄としてではなく、新生児の殺人未遂として告発する意向だ。(3日付G1サイトより)