ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 自転車レーンは歩行者天国?=市が市民への周知を約束

自転車レーンは歩行者天国?=市が市民への周知を約束

 2015年末までに400キロの自転車専用レーンの設置を目指し、6月以降整備のペースを加速させているハダジ市政だが、市民に専用レーンの存在が十分周知されないことで問題が生じている。5日付フォーリャ紙とアゴーラ紙によれば、最近新たに設置されたサンパウロ市中心部ボア・ビスタ通りの専用レーンには歩行者があふれ、自転車による通行の妨げになっているという。
 同通りは人通りが多く、特に昼食時の正午前後、帰宅ラッシュ時の午後5時頃には人があふれる。歩道の幅は狭い上に穴が多く、自転車専用ということを知らないという理由で、専用レーンは歩行者が占領している状態だ。ドン・ジョゼ・ガスパール広場近くの専用レーンは、警察車両さえ横切っているところが目撃されている。
 ボア・ビスタ通りを歩いていたテレマーケティングオペレーターのマリアナ・タガワさん(34)は「歩道が狭い。皆この赤い道を通っているから歩道かと思った」、配達人のアンデルソン・クライトンさん(32)は「こんなに歩行者が歩いていたら自転車レーンの意味が無い。ここを通るときはいつも『どいて!どいて!』って叫びながら行かなきゃいけない」と不平を漏らす。
 市は毎月新設されるレーンを公表すると約束したが、9月の新設レーンは発表されていない。
 非営利団体Instituto Ciclo BR会長で自転車活動家のダニエル・ラバディアさんは、「人が通るスペースが少ない場所に自転車レーンを作れば、レーンが歩行者に使われることは予期できた。人通りが多い所ならなおのことだ」と話す。
 専用レーンの監視は交通技術公社(CET)が行っているが、現在は専用レーンに関する規定の説明などに徹している市警備隊員も約15日以内に監視にも参加することになっており、車両が専用レーンに駐車あるいは侵入した場合の罰金徴収を開始する。