全国工業連合(CNI)が4日、7月の工業界は就業時間の総数と実収益が前月比2・6%と1・2%増え、設備稼働率も同0・6%ポイント向上と発表したと5日付エスタード紙が報じた。
CNIの発表は、このところネガティヴなデータばかり続いていた工業界には少なからぬ朗報だ。6月の場合、就業時間総数と実収益は、前月比でマイナス2%とマイナス1・5%だった。
だが、W杯後は営業日数が正常に戻り、経済活動も再び好転と期待していた人々にとって、7月の数字は決して満足がいくものとはいえないようだ。その事は、CNIの担当者が「工業界はまだ冷え込んだ状態が続いている」と語った事からも明らかだ。
工業界が冷え込んだ状態から抜け出せずにいる事は、6月現在は0・4%と0・2%増加していた雇用者総数と給与総額が、共に前月比マイナス0・2%となり、5カ月連続で減少している事からも見てとれる。この点に関しては、CNIのフラヴィオ・カステロ・ブランド経済政策担当部長も「成長速度が落ちているため、雇用にも以前のような活発さを欠いている」と語っている。
CNIは燃料費や金利の上昇、金融引き締めなどを鑑み、今年の工業界の国内総生産(GDP)の成長見通しを2009年以降最悪となるマイナス1・7%、ブラジル全体の伸びも0・5%と下方修正した。
CNIでは、10月の選挙後は投資などの方針も決まり、状況が改善する事に期待している。
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