サンパウロ市南部ジョルナリスタ・ロベルト・マリーニョ大通り沿いにあり、モノレール(17号線)建設現場からも近いファベーラで7日午後9時頃、火災が発生。市防災局によれば500~600軒のバラックや石造りの住居が焼失し、少なくとも住民2千人に影響が出たと各伯字紙、ニュースサイトが報じた。
被害の規模は「甚大」と定義された火事は急速に燃え広がり、ピオーリョ、シャッカラと呼ばれるファベーラの8割が損害を受けた。怪我人はなかったが、住民の一人が一酸化炭素中毒で入院中、一人の妊婦が高血圧性緊急症と診断された。出火の原因はまだわかっていない。
火災は8日0時半に大方消し止められたが、残り火の消火活動は明け方まで続いた。同大通りは住人の家具、電化製品、マットレスなどが広がった状態になった。
同地域に住む会計士の女性(40)はフォーリャ紙に、「大量の煙と火が近付くことを恐れて建物から住民が逃げ出した」と語っている。
8日付R7サイトなどによれば、消防が現場に向かう途中には麻薬密売者らによる妨害もあったため、消防隊が消火活動を円滑に行うことができるよう、軍警の機動隊も派遣された。しかし、機動隊が安全確保のために現場を隔離したため、消火活動に手を貸そうとしたり、まだ被害に遭っていない家屋から所有物を持ち出そうとしたりした住民の一部は反発。消火作業中には住民からの投石や、何者かによる発砲もあったという。
また、被害を受けた住民数人は新たな家を建てるため、近くのモノレール建設現場から、組み立てられていた木材などを蹴り倒して運び出した。
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