サンパウロ市南部のファヴェーラで7日夜起きた火災では、最初に駆けつけた消防車2台に水がなく、消火栓も2年前の設置時から問題があって初期消火が遅れた▼干ばつのために火災が起きても消火活動が思うように出来ない例は全国で見られるが、6日付エスタード紙によれば、全国100市で調べたところ、浄水場で処理した水の45%が無駄になっている市は40市。11市では60%以上を失っている▼2012年のサンパウロ市では消費者に届く前に消える処理済の水が32・1%とも36・3%ともいわれているが、いずれにせよ、大量の水が盗まれたり漏れたりして消えている事は確かだ。大サンパウロ市圏の水道管の17%は40年以上使われており、中には80年以上というものもあるとか▼「全国の大都市では39・43%の水が無駄になっており、全国平均の36・9%以上」とか「調査した自治体の90%は改善率が10%以下」等の数字を目にした時には、現在の水不足は人災だと考え込んでしまった▼6日に車庫の扉を動かすワイヤーが切れて7日に修理をした人がいるが、電動式の扉のワイヤーの寿命は5年程度なのに12年目で初めて切れたと聞き、5日付2面で触れた「ヨセフ効果」の事を思い出した▼エジプトの王が見た、肥えた牛7頭をやせた牛7頭が飲み込んだという夢を、7年の豊作の後に7年の凶作が来ると解き明かしたのがヨセフだ。降雨量が多い時期と干ばつ期が35~40年周期で起きるという説が本当なら、現在は干ばつ期の初期。庭を洗う人や道路の割れ目から流れる水にため息をつく一方、雨が多い時に貯水池造成を怠った為政者にも呟きたくなる自分がいる。(み)