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8日のジウマ大統領(Ichiro Guerra/ Dilma 13)
8日のジウマ大統領(Ichiro Guerra/ Dilma 13)

コスタ暴露=大統領選挙にも影響か=大打撃のジウマは平静強調=マリーナはカンポス擁護=反撃をかけたいアエシオ

 【既報関連】昨日付本紙で報じた、ペトロブラスの元供給部長パウロ・コスタ氏による、同公社在籍時の多数の有力政治家を相手取った収賄工作の暴露は、大統領選挙にも強い影響を及ぼすことになりそうだ。8日付伯字紙が報じている。

 コスタ氏の証言で最も大きな打撃を受ける可能性があるのは、ジウマ大統領だ。コスタ氏が「関与した人物が最も多い3政党」としてあげた名前の中に自身の所属する労働者党(PT)があった上、連立政権を組む民主運動党(PMDB)、進歩党(PP)の名前が挙がり、エジソン・ロボン鉱山動力相やレナン・カリェイロス上院議長、エンリケ・アウヴェス下院議長の名前まで出てきたからだ。
 ジウマ大統領は8日、エスタード紙主催の公開質問会でもこの件について聞かれた。大統領はロボン鉱山動力相に関し、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相に、連邦警察とロドリゴ・ジャノット連邦検察庁長官にコスタ氏の証言の具体的な調書閲覧を要請する文書を送るよう命じた、と語った。
 この件に関しては野党側が、パサデナ製油所問題などをはじめとするペトロブラス問題追及のための上下両院合同の議会調査委員会(CPI)でも調査を行うよう働きかけ、連警や検察庁の調書の閲覧を要請している。議会は両院議長が疑惑の渦中にあり、苦しい立場に追い込まれている。
 ジウマ大統領は、コスタ氏の暴露した収賄疑惑に関し、「もし、ペトロブラスが出血していたのであれば、もう止血剤が投じられた」と表現し、仮にそのような問題が起こっていたとしても、現在はもうそのような問題はないとした。
 一方、今回の件はマリーナ・シウヴァ氏にも痛いものとなった。それはコスタ氏が名をあげた疑惑の政治家の中に、ブラジル社会党(PSB)の前任大統領候補で、8月13日に死去したエドゥアルド・カンポス氏の名が含まれていたからだ。
 マリーナ氏は6日、カンポス氏の名が含まれていたことについて、「ペトロブラスが彼が知事をしていた州に投資をしていたからといって、彼の名があがるのはおかしい」と語り、関与を否定した。
 その一方でマリーナ氏は8日、ジウマ大統領の名こそあげなかったものの、「国で最も重要な企業のひとつであるペトロブラスの中でこうした悪事の数々を引き起こした諸集団をこれまで見逃してきたのは現行の連邦政府だ」として、その責任を問うている。
 一方、コスタ氏の挙げた名前に絡みがなかった民主社会党(PSDB)の大統領候補アエシオ・ネーヴェス氏は、これを機に、マリーナ氏に奪われた支持率の挽回を狙っている。同氏は早速この件を「第2のメンサロン」と呼び、「現在の連立政権は不正な資金でまかなわれていた」と、語気を強めて批判攻勢をかけている。