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9日の試合で得点を喜ぶセレソン・イレブン(Rafael Ribeiro/ CBF)
9日の試合で得点を喜ぶセレソン・イレブン(Rafael Ribeiro/ CBF)

セレソン=ドゥンガ就任早々2連勝=「刷新」なしの戦術変更で=控えの若手にも収穫あり

 5日と9日に米国で行なわれた親善試合で、サッカーのブラジル代表(セレソン)はコロンビア、エクアドルを相手に2連勝を飾り、2度目の監督就任となったドゥンガ監督の初陣を飾った。6日付、10日付伯字紙が報じている。
 10年のW杯で準々決勝敗退に終わったドゥンガ監督が、7月8日のW杯準決勝でドイツに1―7で大敗した後のセレソンを継ぐと発表された際は、グローボ局が「80%以上が反対」と報じるなど、セレソンの先行きを疑問視する声は強かった。
 だが8月19日の選手召集の時点で好評を得、W杯準々決勝の再現となる強豪コロンビアとの一戦に危なげない内容で1―0で快勝すると、「悪い」と評価する国民はわずか8%に減った。
 9日のエクアドル戦でのセレソンは、相手チームの厳しいマークと、ニュージャージーのスタジアムのグラウンドの整備不良に手こずったものの、前半30分に相手の一瞬の隙をついたネイマールのゴール前に浮かせたパスを左から走りこんだウィリアンが得点につなげ、その1点を堅い守備で守りきった。
 この2試合は共にW杯出場選手を先発出場の中心として戦っている。得点の決め手となったのもいずれもネイマールで、戦い方の大筋はW杯と変わらない。それは国民がW杯後に求めた「レノヴァソン(刷新)」とは異なるものだった。
 だが、それでも結果が出ている要因として、ブラジルのサッカー評論家は以下のような理由をあげている。
 ひとつ目は、センターフォワードを置くのをやめ、攻撃の軸となるネイマール、ジエゴ・タルデッリ、オスカール、ウィリアンの4選手を攻守に自由に動かし、相手のマークを惑わせたこと。ふたつ目は、攻撃、守備共に大きなスペースを開けないように気をつけ、相手につけいる隙を与えなかったことだ。W杯ではサイドバックが上がりすぎたため、そこを突かれて得点される光景が見られていた。
 こういったドゥンガ監督自身の指令によるものに加え、先発以外の若い選手が結果を出し、層の厚さをアピールしたことも大きい。ミッドフィールダーとして2試合に後半出場したエヴェルトン・リベイロ、負傷欠場した守の要のダヴィド・ルイスの代わりに2戦目に出場したマルキーニョスは高い評価を受けた。
 セレソンの次戦は10月11日、宿敵の対アルゼンチン戦(北京開催)となり、3日後の14日はシンガポールでの対日本戦となる。