チリの首都サンチアゴで8日、バルパライソ州でも9日に爆破事件が発生し、同国民が不安に陥っている。
8日付各紙サイトや9日付伯字紙などによると、8日の事件はブラジリア時間の同日午後2時15分に起きたもので、同市で最も利用客が多い地下鉄1号線のエスコーラ・ミリタール駅構内のゴミ箱に仕掛けられた消火器を使った時限爆弾が爆発。駅構内には商店街が設けられており、鼓膜の損傷や器物の破片による外傷など、買い物客も含む14人が負傷。67歳と61歳の女性は救急隊が蘇生術を施す必要があり、清掃係の女性は右手の指を失った。
爆発物を仕掛けたのは現場から車で逃走した青年2人組と見られ、警察が行方を追及している。
バチェレ大統領は8日と9日の予定をキャンセルして被害者を訪問すると共に、テロ行為には厳しい態度で臨むとの意向事を表明した。当局は同日中に地下鉄構内のゴミ箱を一時的に撤去、警官500人を投入するなどして、サンチアゴ市内の警戒態勢を強化した。
他方、サンチアゴと鉄道で結ばれて以来、サンチアゴ市民の観光リゾート地として発展したバルパライソ州ヴィニャ・デル・マルのスーパーでは9日夜に爆破事件が発生し、清掃担当の43歳の女性従業員が外傷と聴覚障害の被害に遭った。
同国ではここ5年間に100件以上の爆破事件が起きているが、従来の事件では人的被害は出ておらず、サンチアゴの事件は、民政復帰以来、最悪の事態とされている。