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UPP署長撃たれて死亡=アレモン地区での抗争で=市内全域平定への道遠し?

 リオ市北部アレモン地区で11日夕方、麻薬密売者と軍警の間で銃撃戦が起き、ノヴァ・ブラジリアの治安維持警察部隊(UPP)のウアンデルソン・マノエル・ダ・シウヴァ署長が死亡した。UPP所属警官が死亡した例は5年間で12件あるが、司令官が犠牲になったのは初めてと12日付伯字紙が報じた。
 アレモン地区ラルゴ・ド・ヴィヴィで密売者と警官の銃撃戦が起きたのは午後5時半頃。抗争発生を知ったウアンデルソン署長は防弾チョッキを着る間も惜しんで現場に駆けつけ、胸に凶弾を浴びた。同署長は救出後すぐに救急病院に運ばれた後、ソウザ・アギアル市立病院に転送されて手術を受けたが、約2時間後に死亡した。
 警察によると、アレモン地区では同日午後2時半頃には、カンポ・ド・セウ・ゼと呼ばれる地区を巡回中のUPP警官が武装者集団に襲われたが、軍警が反撃して犯罪者が逃亡するという事件が発生している。軍警はコカインやクラック、バイク2台を押収。直後には火器によって負傷し、救急病院で手当てを受けていた20歳青年を見つけ、ソウザ・アギアル市立病院に転送している。
 また、夕方の銃撃戦の20~30分前には警察車両に物が投げつけられており、12日未明にこちらも20歳の青年が1人逮捕された。
 ウアンデルソン署長を銃撃した犯人は軍警の特別部隊やUPP警官、市警が捜索中で、治安も強化されたが、地区の学校の一つは休校となった。
 UPP警官はウアンデルソン署長以外にもここ5年間で12人死亡している。今年7月に毎日のように銃撃戦が起きたアレモン地区と、隣接するペーニャ地区では各4人が死んでおり、同地域の治安が未だに不安定である事が窺われる。小売業者の中には、アレモン地区の一部など、犯罪発生率の高い所には配達を断るなどの自衛手段を講じているところがある。
 ノヴァ・ブラジリアのUPPは、ファゼンジーニャのUPP(共にアレモン地区)と共に2012年4月に設置された。ウアンデルソン署長は軍警歴11年で、同UPPには今年6月に配属された。リオ市最初のUPPは2008年11月28日にサンタマルタに設置され、現在軍が駐留中のマレー地区に設置される署は39署となる。
 ルイス・フェルナンド・ペゾン知事は、ウアンデルソン署長の死を悼みつつ、犯罪者の圧力には屈する事はないと宣言した上、マレー地区での軍駐留をUPP設置まで継続する事も明言した。