ブラジル本門佛立宗(コレイア教伯教区長)が13日午前、サンパウロ市リベルダーデ区の東洋会館前からパライーゾ駅まで、世界平和を祈念する『仏教徒平和パレード』を行なった。サルバドール、ロンドリーナ、フロリアノーポリスなどの各州から信徒が参集した。日本からも宗務総長の木村日覚上人を筆頭に、40歳以下で構成される「青年教務会」から全43人が駆けつけた。途中から加わった一般人を含めた約400人が、同宗の最高規範「世界恒久平和」を願い、東洋人街を行進した。
コレイア教区長や木村宗務総長らが音響車に乗り込み、午前9時過ぎに東洋会館前を発って、「南無妙法蓮華経――。誰でも幸せになれるお題目を、みんなで唱えましょう」と沿道の一般人に呼びかけ、手を振りながら、ジョン・メンデス広場の手間でグロリア街に折れた。続いてガルボン・ブエノ街からリベルダーデ広場へ、リベルダーデ大通りを南下して練り歩いた。
午前10時半ごろ、パライーゾ駅近くのサンパウロ文化センター(Centro Cultural Sao Paulo)に到着し解散。コレイア教区長は「賛同者に心より感謝。日本でもオープンカーを作ってパレードしましょう」と笑いを誘い、成功に笑顔を見せた。
音響車を降りた木村宗務総長は、「日伯ともに宗教離れが進んでいる」と疑問を挙げ、「そんな世の中に一石を投じ、信仰心の本質を見つめなおす機会になったのでは」と喜んだ。また「非日系にも普及していることに驚き。もっと広がることを心より願っている」とも語った。
コレイア教区長も「いま23人のブラジル人僧侶がいます。日本でのキリスト教普及が何百年もかかかったことを考えれば、たった100年でこれだけ普及したのは画期的だと思う」と話し、青年教務会の関係にも「日本の若手教務とは今後2、30年付き合うことになる。そのきっかけを作れたことに大きな意味がある」と振り返った。
この使節団はサンパウロ州タピライ市で翌14日に行なった〃佛立聖地〃地鎮式に合わせ結成された。また青年教務会が今年、創設50周年を迎えたこともきっかけ。教区長は「国外体験を通じ、本来あるべき姿を見つめ直すため」の〃記念修行〃という位置づけもあり、かつてない大規模な訪伯団が実現した。当地仏立宗の関係者からは「ブラジルから仏教を再興する」との強い意気込みが聞かれた。