ルーラ元大統領(労働者党・PT)は15日、リオ市中心部で行われた「岩塩層下油田の擁護行動」に参加して演説を行ない、大統領候補マリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)の政策面に関して厳しい批判を行い、PTが仕掛けている反マリーナ・キャンペーンにさらに追い討ちをかけた。16日付伯字紙が報じている。これ以上恐持てイメージを強めたくないジウマ候補の代わりに、大御所ルーラ元大統領が乗り出して、かつての愛弟子マリーナをたしなめる役を買い、活発化する〃舌戦〃の悪役を務めて始めた。
マリーナ氏が支持率でジウマ氏に肉薄して以降、PTは政見放送などで集中砲火を浴びせ、なりふり構わない反撃に転じている。マリーナ氏の大統領としての資質への疑問や政策批判を展開し、それが急上昇していた彼女の支持率を下降させる要因になっている。
この猛反撃に、マリーナ氏のPT在籍期間(1986~2009年)、24年にわたり師匠にあたる存在だったルーラ氏も加わったことで、フォーリャ紙の取材に対し、マリーナ氏は13日「ルーラが仕掛けてくることに対し、どうにも感情を抑えられない。私は何もやり返す気はない」と涙ながらに語った。
それに対しルーラ氏は「私は彼女の批判などしていない」と憤慨し、態度を硬化させていた。
だがルーラ氏は15日、リオ市シネランジアで「岩塩層下油田の擁護行動」で演説を行ない、マリーナ氏が同油田への投資を最優先課題としない政策を掲げていることを強く批判した。
同公社のオレンジ色の作業服を着て登壇したルーラ氏は、マリーナ氏の名を出さないまま「唯一、第三者に任せられない職責は大統領だ。ジウマの対立候補に立つなら、経済政策を細切れにしていろいろな経済学者に言わせるのを禁止するべきだ」と皮肉った。続けて「500もの手が加わって政策が語られるようになったら、結局は彼女が除外されるだけ」と手厳しく非難した。
これは、経済政策協力者のアレッシャンドレ・ランズ氏が「インフレ率目標(4・5%)を見直す可能性がある」と語ったのを、13日にマリーナ氏が慌てて取り消したことを指している。
マリーナ氏が先週、同公社の増収賄疑惑に関して「PTはペトロブラスの金庫を襲わせるために、幹部(パウロ・ロベルト・コスタのこと)を送り込んだ」と語ったことへの〃お返し〃だとG1サイト15日付けは報じている。
当日、さらにマリーナ氏にとって痛いことが起こった。ホームレス労働者運動(MTST)の会長ジョアン・ペドロ・ステージレ氏がルーラ氏と並んで壇上に立ち、「もしマリーナ氏が大統領になってペトロブラスにあれこれ手を出すようになったら、我々は毎日でもここに来て抗議を行なう」と語ったことだ。MTSTのような社会活動団体はマリーナ氏側と見られていた。
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