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泌尿器科医師、銃撃で死亡=犯人は患者で直後に自殺

 ブラジルの代表的な泌尿器科医アヌアール・イブラヒム・ミトレ氏(65)が15日午後、サンパウロ市セントロ区の自分の診察室内で患者に銃撃され、犯人はその後、頭部を撃って自殺したと16日付伯字各紙が報じた。同医師はシリオ・リバネス病院に勤めており、診療所も同病院の真向かいに位置していた。
 ミトレ医師の秘書によれば、犯人は元医師ダニエル・エドマンス・フォルティ氏(42)で、5年前からミトレ医師の治療を受けていたが、15日は診察の予約をしていなかった。この日午後4時10分頃、フォルティ氏は病院に現われ、診察は予約されていなかったが、馴染みの患者だったために、秘書は診察室に上がるのを認めた。診察室に着いた同氏は名前を呼ばれるのを待たず診察室に入り、ミトレ医師を罵り始め、数発発砲、同医師の頭部、腕、背中を直撃した。
 犯行を目撃した秘書は恐怖で階段を駆け下り、下の階にいた看護師に助けを求めた。秘書の「ミトレ先生が殺された」との言葉に、内線電話が全て使われていたために連絡ができず、看護師は助けを求め窓から外に向けて叫んだ。それを聞いた病院職員が警察に通報。病院医師らが救出のため現場に駆けつけたとき、犯人は既に死亡していた。
 ミトレ医師はすぐに手術を受けたが、フォーリャ紙によれば後遺症が残る危険があるという。病院はミトレ氏の詳しい容体について明らかにしていないが、職員らは「安定している」と話している。
 自殺した犯人はうつ病と泌尿器疾患に罹患していた。数年前のバイク事故の後に受けた手術の術後の経過が思わしくなく、ミトレ氏の診察を受けていた。サンパウロ州出身、リオで医師として働いた経験もあった。