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16日、軍警と抗争となった不法侵入者(Carlos Severo/Fotos Públicas)
16日、軍警と抗争となった不法侵入者(Carlos Severo/Fotos Públicas)

サンパウロ市=セントロで不法侵入者騒乱=軍警と半日以上抗争=逮捕者9人に補導者75人=BBによるバス焼き討ちも

 16日、サンパウロ市セントロで、裁判所からの住居立ち退き命令に反対する不法侵入者たちが12時間もの間抵抗し、バスの焼き討ちや破壊行為などにも及んだため、9人が逮捕、75人が補導され、12人が負傷する事態が起きた。17日付伯字紙が報じている。

 16日午前6時30分、セントロのサンジョアン大通り601番のホテル「アクアリアス」からの強制立ち退きが開始された。このホテルには、社会運動グループの住居戦闘戦線(FLM)のメンバー315世帯が不法侵入して住み着いていた。
 だが、7時30分頃、所持品撤去のためのトラックが足りないことに腹を立てた住人たちが、20階建てのホテル上方の階の窓から大きな石や家電類などを路上に投げ落とすなどの危険な行為に及んだため、軍警も対抗して、催涙ガスやゴム弾を使いはじめた。
 午前9時過ぎには軍警の特別機動隊の装甲車も到着し、同ホテルに鼻先を突っ込むようにして強行突破を試み、立ち退きに抵抗する人たちを撤去させようとした。
 これに対し、同ホテルに住みついていたFLMのメンバーや同ホテル周辺のマルコーニ通りや4月7日通りの不法侵入地の住人たちが、所持品やゴミ箱に火をつけてバリケードを作った。
 騒ぎは周辺地域にも広がり、午前10時頃にはレプブリカ広場でも炎のバリケードが作られた。騒乱は不法侵入者のみに止まらず、若い路上生活者や学生、麻薬常用者、スケートボード愛好家などを巻き込んで広がっていった。11時30分頃にはバロン・デ・イタペチニンガ通りにある2軒の携帯電話販売店が、暴徒たちの略奪にあった。この影響で、周辺では多くの商店が店を閉めた。
 セントロ周辺では午後になっても炎のバリケードがいくつもつくられ、暴徒と軍警とのもみ合いや破壊行為が続いた。また、午後6時30分頃にはお茶の水橋とシャビエル・ド・トレド通りの交差点に止まっていたバスが焼きうちされた。軍警によると、放火したのはブラック・ブロックスとみられる、顔を隠した15人ほどの人物だ。
 事態は午後9時頃に収拾したが、この騒乱の結果、9人が暴行罪や騒乱罪で逮捕、75人が不服従などを理由に補導されたほか、軍警5人を含む12人が負傷した。この影響で地下鉄のアニャンガバウー駅とレプブリカ駅は一時閉鎖され、その夜の市立劇場の演劇も中止となった。
 サンパウロ市では今年に入り、東部イタケロン地区の「住民のコッパ」や西部モルンビ地区の高級住宅地周辺をはじめとした、社会運動グループ主導による不法侵入が各地で起き、話題となっている。これらのグループは現在以上の大衆向け住宅の建設を望んでいる。
 今回の騒ぎの中心となったFLMは市内でも最も早く不法侵入をはじめており、市内13カ所で不法侵入を行なっている。元来は労働者党(PT)と関係があった。