国連の食料農業機関(FAO)が16日、2013年の世界の飢餓人口は8億500万人で、9人に1人が明日食べる物を心配しなければならない状態だが、ブラジルでは340万人で2002年より82・1%減ったと発表したと17日付伯字紙が報じた。
FAOでは世界中の食糧確保などの問題も扱っており、地域毎の食糧生産が充分か否かなどを見た上で、食糧が不足している地域には緊急支援を呼びかけたりもする。13年の全世界の飢餓人口は1億人以上減っており、貧困対策や食糧生産への取り組みがある程度の結果を表し始めたといえる。
飢餓問題は国連のミレニアム開発目標(MDGs)でも取り上げられ、10月17日は「貧困撲滅のための国際デー」となっている。極度の貧困と飢餓の撲滅はMDGsの第一目標で、その中には、1日の収入が1米ドル未満の人口比率や飢餓に苦しむ人口の割合を2015年までに1990年の半分にする事と、女性や若者を含む全ての人に雇用や仕事の提供を実現する事が含まれる。
ブラジルの場合、90年の飢餓人口は2250万人で総人口の15%、02年は1900万人で同9%、13年は340万人で1・7%まで減っているから、飢餓人口を半減するという目標はとうの昔に達成している。
02年から13年にかけての飢餓人口減少率82・1%という数字は、79・2%のベネズエラや62・2%のペルーを上回り、世界一だ。ラ米の平均減少率は5・1%で、カリブ海地域を含むラ米諸国は皆、飢餓人口削減の目標を達成したとされている。
ブラジルの場合、飢餓人口の減少はボウサ・ファミリア(生活扶助)やインフレ以上の率で調整される最低賃金などの所得分配政策や雇用増大などによるところが大きく、2001年と2012年を比べると、1日の収入が1米ドル未満の極貧者は75%減り、人口の14%が3・5%に、1日の収入が2米ドル未満の貧困者も65%減り、人口の24・3%が8・4%になった。
食料難で苦しむ人の減少は食料が確保された家庭が増えた事も意味しており、2008年は男児107・8センチ、女児107・2センチだった5歳児の身長も、12年には、男児108・6センチ、女児107・9センチに伸びている。
世界的に見て飢餓人口が減った地域は、経済発展が著しく、食糧生産も増えた東アジアと南アジアやラ米地区で、今も飢餓に苦しむ人々が多いのは、サハラ砂漠の南側の地域やアジアの一部だ。