ペトロブラスでの諸々の汚職疑惑のカギを握っているパウロ・コスタ氏が17日、上院・下院合同の議会調査委員会(CPI)に出頭した。だが、同容疑者は裁判所との取り決めを優先して黙秘権を行使した。そのため、同CPIでは野党側が汚職疑惑に揺れる与党を攻撃し、激しい議論が起こった。18日付伯字紙が報じている。
現在、全国的な大型マネー・ロンダリングの「ラヴァ・ジャット作戦」で勾留中のコスタ氏は17日、収容先のパラナ州の連邦警察からブラジリアの連邦議会に出頭し、両院合同CPIで供述を求められた。
コスタ氏の供述は2時間40分に及んだ。だがコスタ氏は、終始一貫して「話すことはない」「黙秘権を行使する」と語り、計17度にわたって証言を拒否した。
これはコスタ氏が司法当局と交わした司法取引の一種で、「捜査に協力すれば罪を軽くする」という報奨つきの供述ゆえだ。連邦警察で行なった供述の内容を他の場所で明らかにして、連邦警察の捜査を妨害することになるのを防ぐため、連邦警察で話した内容を話せば、供述に伴う報奨を失うことになっている。
民主社会党(PSDB)を中心としたCPIの野党側構成員たちは、コスタ氏が連邦警察での供述内容やそれ以外の事柄を供述することを期待して、CPIのメンバー以外の陪席を禁ずるよう求めた。
コスタ氏は連警での供述で、民主運動党(PMDB)や労働者党(PT)の有力政治家がペトロブラスでの大型贈収賄疑惑に関与していたことを暴露しており、野党側はさらなる詳細についての情報を得て10月の選挙を有利に進めたい思惑があった。だが、その要求はPMDB議員らの票により10対8で否決された。コスタ氏が暴露したPMDBの人物には、上院のレナン・カリェイロス、下院のエンリケ・アウヴェス両議長らが含まれている。
コスタ氏の黙秘により、CPIは政治討論の場へと変わった。野党側が「ペトロブラスをダメにしたジウマ氏に大統領の資格はない」「PTはメンサロンから何も学んではいない」などの批判を行なうと、PTをはじめとした与党側議員は「カルドーゾ元大統領の時代にも、結局うやむやになったペトロブラスに絡む疑惑があった」「サンパウロ州でのPSDBの地下鉄カルテル疑惑について語らなくなったマスコミの力を借りて騒ぎ立てている」など返した。
また、ブラジル社会党(PSB)のジュリオ・デルガド下議はコスタ氏が8月13日に急死した元大統領候補のエドゥアルド・カンポス氏の名をコスタ氏が疑惑の人物としてあげたことに対し「亡くなって弁護しようのない人の名をあげるのはいかがなものか」とコスタ氏に異議を唱えた。
CPIは、ラヴァ・ジャット作戦主犯のアルベルト・ユセフ氏の会計士であるメイレ・ポーザ氏の証人喚問を行なうことと、コスタ氏の供述の内容へのアクセスを認めるよう、最高裁長官と要請することを決めた。
タグ:メンサロン 写真ニュース ペトロブラス ラヴァ・ジャット CPI PT PSDB PSD カンポス PSB 汚職 PMDB