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デラソン・プレミアーダとは何か

 「Delação Premiada」(DP=褒賞付き内部告発)という聞きなれない言葉が世間を騒がせている。37人もの与党政治家や大臣、知事が関係したペトロブラス(PB)贈収賄疑惑の裁判において、減刑という褒賞(prêmio)を当てにした内部告発(delação)をロベルト・コスタ被告がしているからだ▼このDP制度は9.807/99法が可決されて刑法の一部に組み込まれたもので、99年開始だ。捜査や裁判にかかる時間と費用を短縮するためにプラグマティズムの米国で発祥した制度で、ブラジルはそれを取り入れた。以来07年までの間に2千件に適用されたというから、かなり運用されている。司法取引が禁止された日本などの国では存在しない制度だ(類似制度はあるとか)▼DPでは、告発内容が果たした役割の大きさに応じて「無刑」もありえる。ただし、被告は告発が真実だと証明をする必要があり、偽証だと判明すれば「ウソの告発」として刑事裁判にかけられる。つまりコスタ被告は証拠を提示しながら、与党幹部を告発しているはずだ▼その告発情報が漏れることで当該政治家が証拠隠滅するのを防ぐために、今回のペトロブラスCPIで同被告は沈黙を守った。DPが難しいのは、告発が元で有罪となった関係者から、本人や家族の命が将来狙われる可能性がある点だ―と指摘する筋もある▼与党が指名した人物が、PB内で与党政治家への贈収賄システムを取り仕切っていたという構図には根が深いものがある。もし今の勢いでジウマ支持が回復して再選したとしても、今件は第2期政権の奥深い部分に刺さったトゲとなる。もし彼女が負ければ致命傷にすらなるかも…。(深)