ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | コリンチャンスに新星誕生=17歳のストライカー、マルコン

コリンチャンスに新星誕生=17歳のストライカー、マルコン

 ブラジル国内で屈指の人気を誇るサッカー・クラブ、コリンチャンスに17歳の有望フォワード、マルコン(Malcom)が台頭しつつある。
 1997年2月26日生まれのマルコンは、現在、全国選手権1部のチームの登録選手の中で限りなく最年少に近い選手だ。ましてやそれが、全国選手権優勝や、南米一を競うリベルタドーレス杯への出場圏内を意味するG4(4位以上)入りを狙える位置にいるコリンチャンス(24日現在4位)のレギュラーとして出場しているのだから大きな意味がある。
 コリンチャンスのジュニア・チーム時代に28試合で91得点をあげるという驚異的な成績が認められ、トップ・チームと今年3月に正式契約したマルコンだが、本格的に試合に出はじめたのは9月になってからだ。マノ・メネゼス監督は起用のタイミングについて、「才能は最初からわかっていたが、どこで使うかが腕の見せどころ。それが今だったということだ」と語っている。
 2度目の先発(通産5試合目)となった9月18日、対シャペコエンセ戦に右ウイングで出場したマルコンは、前半10分にプロとしての初得点を決め、一躍注目の存在となった。「いつもロビーニョやネイマールになることを夢見ていた。彼らみたいに相手ディフェンダーを超える位置を狙っているんだ」とマルコンは喜びを語った。
 だが、マルコンの存在にそれ以上に大きなスポットを当てたのは、次戦にあたる9月21日、本拠地イタケロン・スタジアムで行なわれた、宿敵のライバル、サンパウロFC戦だ。前試合での内容が買われ、この試合にもいきなり先発で抜擢されたマルコンは、3―2でチームの勝利に貢献し、その3点すべてになんらかの形で絡む活躍を見せた。ブラジル国内のサッカー・ファンへの知名度を一気に高めた活躍には、マノ監督も「状態が良ければ使い続けるよ」と語った。
 そんな活躍中の息子に対し、マルコンの母親は毎日のように電話をかけ、彼のフェイスブックのページの管理まで行なっているという。彼女はマイコンが幼い頃に離婚し、サンパウロ東部ヴィラ・フォルモーザにあるファベーラで女一手でマルコンとその弟を育ててきた。現在はタツアペのコンドミニアムに3人で住んでいる。
 17歳にして名門チームのレギュラー格になると、夢は自然と世界へと目が向きがちだが、マルコンの現在の目標は欧州のリーグに行くことではない。「このチームで優勝しないとね」とマルコンはコリンチャンスへのさらなる貢献を誓っている。(23日付アゴラ紙より)