法務省が24日、マラニョン州の州都サンルイスとその周辺の治安確保のため、軍の治安部隊の派遣を決めたと同日付アジェンシア・ブラジルが報じた。この決定は23日に提出されたロゼアナ・サルネイ同州知事の要請を受けたものだ。
同知事の要請は、サンルイス市で20日以降続いたバス焼き討ちなどの暴力事件発生を受けて提出された。
マラニョン州では、2年前位からペドリーニャス刑務所内での犯罪組織同士の抗争が目に付き始め、13年には収監者60人が殺されるほど事態が悪化。それに伴い、サンルイスやその周辺での暴力事件も増え、昨年10月以降は刑務所内に軍兵士が駐留している。
同刑務所では10日夜、犯罪組織のメンバーがトラックを使って外壁に穴を開け、収監者らが脱走する事件が起き、また17日にも刑務所内から掘られたトンネルを使った脱走未遂事件も起きており、20日から続いたバスなどの焼き討ちも刑務所内から指示が出ていた可能性も強い。
同州保安局によれば、一連の焼き討ち事件はサンルイス周辺のサンジョゼ・デ・リバマルで20日に起きたバス4台マイクロバス1台に始まり、3日間でバスや乗用車、警察車両を含む17台の車が襲撃された。22日には一連の事件に関与したとして成人13人、未成年者5人の計18人の身柄が拘束されたが、サンルイスとその周辺では昨年もバス焼き討ちなどが繰り返され、大火傷をした少女が亡くなるという事件も起きていた。