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サンパウロに久々に強い雨=春夏の名物は戻るか?

 サンパウロで生活していると、春や夏は毎日のように、「今日、市内で強いテンペスダーデ(夕立)が起き、○○通りなど数箇所でアラガメント(冠水)も起きた。市内の信号機は多数故障し、交通渋滞も引き起こされた」という記事を目にする。
 これはサンパウロ市における、信号機の脆弱さ、大雨が降った際の道路の排水状況の悪さを物語っていて、市の弱い部分の象徴としても語られている。
 また、午前中に気分が悪くなるくらい気温があがった後、昼から急に曇り、夕立が起こるといったことが繰り返されるから、春、夏は昼からの行楽にも向いていない。それがサンパウロの春、夏のなじみの光景だ。
 だが、2013年からはこの事情が変わり、連日報じられているように、サンパウロは現在、水不足の危機に見舞われている。サンパウロの最大の水の供給源であるカンタレイラ水系は、緊急時の水を補給したにもかかわらず、水位が26日現在で7・2%まで下がり、市民生活の深刻化が心配されている。
 9月も26日朝までの同水系の降水量は、例年の月間降水量の平均が91・9mmのところが、40・2mmしか降っていなかった。当初の予想では、「平年並みの降水量」との予想が大きくはずれつつあった。
 ところが26日の昼過ぎから、急にバケツの水をひっくり返したような雨が降り出した。この雨は2、3度とやみながらも、突如大降りになるを繰り返した。
 午後5時20分の段階の報道では、市内で冠水が2カ所起き、46機の信号機が故障したという。
 通常なら「またか。進歩がないな」となるところだが、雨が欲しくてたまらないサンパウロ市民にとってはある意味で歓喜の瞬間だ。もちろん、市に対策は講じてもらいたい点はあるのだが。
 まだ市内での26日の降水量の発表はないが、きょう以降も雨が降りやすくなるといい、9月の累積降水量が予想された通りの「平年並みの降水量」に滑り込みで追いつくべく、追い討ちをかけることを願うばかりだ。
 なお、気象関係者の予測だと、今年から来年にかけての春、夏も干ばつの状態は続くと予想されているが、「サンパウロ名物の天気」の復活に期待したい。(26日付G1サイトなどより)