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カンタレイラ=雨が降らねば55日=〃未開の水域〃も底をつく=第2段階の取水やむなし?

 サンパウロ州水資源・衛生局のマウロ・アルセ局長が25日、現状のまま雨が降らなければ、大サンパウロ市圏やカンピーナス地方の給水源であるカンタレイラ水系は11月21日で枯れるとの見解を明らかにしたと26日付エスタード紙やアジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 25日現在のカンタレイラ水系の貯水量は723億リットルで、利用可能な貯水量の7・4%。このままだと、貯水池の取水口より低い部分にあるヴォルーメ・モルトと呼ばれる〃未開の水域〃の水を1825億リットル開放した分も含む水が、55日で底をつく。
 〃未開の水域〃の水の開放は5月に始まり、貯水量は8・2%から18・5%にと一気に増えたが、その後も思うように雨が降らず、降雨のない日の貯水量は、25日朝の7・4%が26日朝は7・2%にというように0・2%ポイントずつ減っている。
 例年にない少雨の影響はサンパウロ州最大の水源で、現在も大サンパウロ市圏の650万人とカンピーナス地方の500万人に水を供給しているカンタレイラ水系で最も大きい。取水量が五つの貯水池に入ってくる水量を上回る状態が続き、流入量と取水量の差は9カ月連続でマイナス記録を更新している。
 サンパウロ州水道公社(Sabesp)では同水系の水がなくならないよう、他水系から給水を受けたり節水を呼びかけたりしてきたが、それでも貯水量の減少が続き、遂に「あと55日」との発言まで飛び出した。
 もちろんこれは雨が降らなければという条件での話だが、今年の場合、雨が増える筈の9月も26日朝までの降水量は40・2ミリで例年の91・9ミリには程遠い。現在の貯水池への流入量は毎秒6860リットルで例年9月の30・7%だが、取水量は2万3千リットル。9月は400億リットルの出超で終る見込みだ。
 サンパウロ州政府は、〃未開の水域〃から更に1060億リットルを汲み出す計画を立てており、国家水資源庁(ANA)とサンパウロ州の水資源・エネルギー局の承認待ちだ。だが、これによって3月までは給水制限不要といっても、他水系からの水の供給にも限りがあり、新しい貯水池の造成は時間がかかるなど、その後の保証はほとんどない。
 サンパウロ州内他水系の26日現在の貯水量はアウト・チエテ11・9%、グアラピランガ51・6%、アウト・コチア35%、リオ・グランデ76・7%、リオ・クラーロ62・0%で、いずれも水位が低下中だ。
 少雨、干ばつは、川を使った物流や生態系の維持、農作物の収穫にも影響。23日にはミナス州セーラ・ダ・カナストラ国立公園内にあるサンフランシスコ川の水源地が枯渇との報告(24日付本頁既報)も出ている。