朝日新聞サンパウロ支局に今月1日付で着任した記者の田村剛さん(38、北海道)が、あいさつのため16日に来社した。東京外大スペイン語学科を卒業し、青森、横浜などの地方支局、東京本社の社会部を経て初の海外赴任となった。コロンビア以南の南米諸国を広く担当する。
中南米への関心は学生時代から高く、メキシコに留学した。「日本からは注目度が低い地域で、悔しさのようなものを感じた」。ブラジルについては「先住民、アフリカ圏など文化の多様性が魅力的」と語り、自ら赴任を希望したという。
W杯開幕試合の6月12日に初来伯し、3週間ほど社会ネタを取材したという。開幕会場近くのメトロ駅での抗議行動に赴いたとき、「デモ隊側にいて取材していたら、警官隊がバンバンと催涙ガスなどを撃ってきて他社の記者が怪我をし、民衆が一気に逃げて押し寄せてくるのに恐怖を感じた。最初がそれだったので、その後は何事も無く、むしろ大会運営が良いという印象を残した」と思い出す。
大統領選に関しては「政権交代の有無に尽きるのでは」と焦点を語り、「ペトロブラスの汚職問題がどの程度、選挙の展開に影響するのかに注目したい」と話した。
「来年は終戦70年で日伯外交樹立120年。色んな切り口から取材できれば。リオ五輪も力を入れたい」と意気込み、「日系社会のことを勉強しながら、移民やデカセギ事情も取り上げたい」との意欲も見せた。
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