デカセギ世代の政治家が出馬している――20日の日系候補討論会で、谷パトリシア清美州議候補(40、二世、PSDC)=タボン・ダ・セーラ市在住=は独特の存在感を放っていた。
「デカセギ資金で起業した友人の大半は帰伯後数カ月で失敗し、日本の工場で汗水垂らして貯めたお金を無駄にした。そんな零細企業への支援をもっと充実させるべき」と訴えた。
デカセギブームの真っ最中92年に単身訪日し、広島県三原市のゴルフ場などで働きながら01年までの9年間を過ごした。市役所の日本語講座で勉強し、通訳ボランティアもしていた。「日本の治安や教育は最高。私は日本で生まれ変わった。その想いをこちらに伝えたい」。
娘は日本で生まれ育った。「彼女の同級生は、その影響を受けてみな日本文化が好きになっており、彼女の好みが友達に自然に広がっている」と喜ぶ。日本に住むデカセギ友達は「『日本の良い点をブラジルで!』と応援してくれている。彼らの分までがんばるわ」と笑った。(深)