フェルナンド・ハダジ市政(労働者党・PT)は、サンパウロ市で道にゴミを捨てる市民に罰金を科す方針だ。市役所側は既存の法律を適用、監視基準は告示の形で公表する。この提案は教育的政策の一つで、道路や舗道にゴミを捨てる人や、ゴミ出しの時間や場所を守らない人などが罰則の対象となる。
固形廃棄物に関する環境教育計画は、リオ市の「廃棄物ゼロ計画」を参照にしている。市役所の担当者は、同市での「廃棄物ゼロ計画」の結果を知るために同市に赴いていた。また、サンパウロ市行政サービス局のシモン・ペドロ局長は、同様の政策を実施しているベルギーのブリュッセルと協力の合意を締結しようとしている。
【計画】
計画の詳細は行政サービス局が煮詰めており、数週間以内に市長に提示される。この計画は今年中に開始される予定だ。
シモン・ペドロ局長によれば、ハダジ市長は昨年のうちに「路上にゴミを捨てる少数派の市民の態度」への監視強化に関心を示しており、固形廃棄物に関する法律を変更する必要があるか否かを検討する委員会も発足させた。同委員会では同件に関する新しいプロジェクトを議会に提出する必要はないと見ている。
それは、2002年のマルタ・スプリシー市政時に、罰金も視野にいれたゴミ処理に関する広範囲な法律が制定されているからで、この条例によれば、道路にゴミを捨てると500レアルの罰金刑、粗大ゴミや瓦礫を不法投棄した場合の罰金は1万2千レに達する可能性もある。市役所は、市内にはゴミの不法投棄が繰り返されている場所が1500カ所あると見ている。
【教育】
道路へのゴミの不法投棄の監視は、ゴミ収集会社がスポンサーを務める「サンパウロ市フェアプレー」という教育的キャンペーンでも取り上げられ、ゴミ処理のために市が提唱した「新しい三本柱」の最終ステップだ。このキャンペーンは分別回収への投資再開も意味する。
市役所ではこの罰金を分別回収を促すために使う予定はなく、「ゴミの分別をしない市民に罰金を課すつもりはない」という。ペドロ局長はその文書で「この罰金は、市民がサービスを享受し、分別回収や市内浄化に協力できるよう、啓蒙活動と教育のために使う予定だ」と述べている。
市役所は先週、北部のトゥクルビ、東部のエレメリーノ・マタラゾ、ポンテ・ラーザ地区に加え、南部の7地区も分別回収を行う地区のリストに含めた。
ゴミの分別回収は、機械化された新しいゴミ分別施設の建設に伴って拡大している。サントアマロ(南部)とポンチ・ペケーナ(中央部)に1億5千万レアルずつを投じて建設した施設は今年から稼動しはじめた。
各施設は市全体のゴミ分別量よりも多くの再生資源ごみを処理する能力を有しており、市内全域にサービスを展開するため、更に二つの施設が建設される予定だ。
ペテロ局長は、「2016年までにはすべての地区でゴミの分別回収が行われるようになる」と明言する。市役所では再生資源ごみを回収するためのEcopontoも増設中で、2012年度は51だったEcopontoは、2016年までに160になる予定だ。(9月29日付エスタード紙より)