ブラジル国内で「歌って踊れる神父」として有名なカトリックのマルセロ・ロッシ神父(46)が、バチカン(ローマ教皇庁)から調査を受けていたことがわかった。
マルセロ神父といえば、90年代以降、ブラジルでは音楽やノヴェーラの大スターかそれ以上の有名人だ。同神父のミサは音楽的な要素が非常に強く、98年に録音したアルバム「ムジカス・パラ・ロウヴァール・アオ・セニョール」は300万枚の売上げを記録。以来、神父にしてミリオンセラー歌手という、世界的にも異例といえる現象を作り上げた。
また、2011年に著した宗教書「アガペー」をはじめ、自身の著した書物でもベストセラーを次々と発表していた。
だが、そこまでの成功を伴うと怪しんだり、やっかんだりする人たちがいるのも無理からぬところで、このほど、90年代の終わり頃から4年ほど前まで、バチカンがマルセロ神父の調査を行なっていたことが明らかとなった。
ジャーナリストのリカルド・フェルトリン氏が明かしたところによると、マルセロ神父への告発はブラジルの宗教関係者からだったという。それは、同神父が頻繁にテレビに出演したりすることで個人崇拝を強め、カトリック教会の品格を落とし、ミサをサーカスのような見世物にしてしまいつつある、という批難だったという。
それを受けて調査に乗り出したのはローマ教皇庁教理省で、定期的に送られてくる、マルセロ神父に関するCDや本、ミサなどの様子を録画したビデオなどを基に、約10年間、調査を行なっていたという。調査開始当初の教理省の担当者はジョセフ・ラトジンガー大司教、後のローマ法王ベネディクト16世だった。同省が調べていたものの中には、同神父がSBTのググやグローボのファストンなど、各局の名物司会者の番組に出演したときのビデオまで含まれており、同神父とサントアマーロ地区担当のフェルナンド司教は、2004年の末か2005年はじめにローマ教皇庁に呼び出されている。
今回の報道に関し、マルセロ神父らを担当する広報関係者は「調査の対象となっていることは知らなかった」と語り、さらに「仮にそれが本当であったとしても、もう過去の話だ」としている。(1日付アゴラ紙より)
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