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被害者は3日に1人!=USPでの強盗事件増加

 サンパウロ市西部にある州立サンパウロ総合大学(USP)が、1~8月にブタンタン・キャンパスで起きた強盗事件は80件に上り、昨年同期の36件の倍以上となったと発表した。
 サンパウロ州保安局によると、同地区に設けられた軍警大隊とバーゼ・コミュニタリアは今年、200人以上を現行犯逮捕している。また、10代の犯罪者9人の身柄を拘束、武器3丁も押収したという。
 最近起きた例は9月28日、柔道の選手だったがボート競技に転向したビアンカ・ミアルカさんが門の前でバスから降りたところでバイクに乗った2人組に襲われ、銃を突き付けられたため、命の危険を感じて銃を奪った際、両手と額に負傷したと言うものだ。強盗はビアンカさんのカバン(モッシーラ)と所持品を奪って逃げ去った。
 地域の警察によると、ビアンカさんが襲われた場所は、同種の事件が昨年同期比で67%増えているという。
 9月20日に行方不明となり、23日に遺体が発見されたSenacの学生のヴィットル・ウゴ・マルケス・サントスさん(20)の件も、不可思議な事件として捜査が続けられている。
 7月には、学生が飲食している場にバイクで乗りつけた2人組が、学生14人の所持品を奪うという事件も起きている。この時は、学生の一人が銃の台尻で殴られ、顎の骨を折っている。
 USPの職員組合によると、キャンパス内での治安の問題は同大学の財政面の問題とも関係しているという。USPでは今年、清掃関係と安全維持のための人員を30%削っているからだ。構内の警備員も30%がいなくなったという。
 USP構内の治安維持は大学側の警備隊と軍警が担当しており、1日10万人以上とされる構内を訪れたりしている人々からは、「サンパウロ市内の他の場所に比べたらずっと治安が良い」という声と、「時計広場で午後4時頃、私にしがみつこうとした男性がいたけど、警備員が飛んできて助けてくれた。でも、その警備員もそのあたりはあまり歩かない方がいいと思っているみたい」という声が出ている。
 哲学専攻のヴィットル・セニゼ・フルタードさんによれば、「USPは治安の良い場所だと思うけど、環境がもっと整備され、照明がもっと行き届いていればもっと安全になると思う」という。(1日付G1サイトより)