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工業生産が連続して成長=消費者の信頼感は回復せず

 8月の工業生産が7月比0・7%増え、2カ月連続で成長したが、年間を通じた生産はマイナス成長で終る見込みと3日付伯字紙が報じた。
 8月の工業生産は7月と同じ前月比0・7%の成長で、0・1%程度との市場の予想を大幅に上回った。それでもこの2カ月間の工業生産の回復は1・4%で、1~8月の累積では3・1%落ち込んだままだ。
 工業生産の落込みは、消費者の多くが負債を抱えて購買力や需要が低下した事や、基本金利引き上げで融資の利用も伸び悩んでいる事、輸入品の横行、輸出の伸び悩み、消費者や企業家の信頼感低下など、様々な要因が原因で起きている。
 選挙が終るまでは今後の経済政策が決まらない事も消費者や企業家の不安感をあおっているが、そんな中で業績が伸びたのは石油や鉄鉱石などの鉱業生産2・4%、機械や設備3・9%、プラスチックやゴム4・1%、食料品1・1%など。石油精製やバイオ燃料生産も1・5%伸びた。
 一方、ビールなどの飲料や医薬品、化粧品や個人の衛生用品の生産は、6・1%、7・4%、4・2%減となった。
 また、車の生産は7月に8・4%回復したものの、8月は1・5%落ち込み、1~8月の累積では18・8%減。同業界は過剰在庫も捌ききれていないため、9月の自動車販売が前月比9%増えたにも関わらず、GMが希望退職を募り、VWやフォード、ルノーが集団休暇をとるなどの形で、生産調整が続く。
 8月の工業生産は24業種中14種で増加したが、過去最高を記録した13年7月より6・2%少ない。生産量で見た場合は、世界的な金融危機後で景気後退の最中だった09年11月より0・2%少ないという。
 ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)によると、解雇への不安指数は9月に77を記録。77・9だった09年11月に次ぐ高さだ。同指数はこの半年間で11・6%上がっており、13年3月の69を最後に6四半期連続で上昇中だ。