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「大統領選」の映画が大ヒット=主演はブラジル一のコメディ王

 10月5日、ブラジルでは大統領選挙の投票が行なわれ、それが人々の話題を独占したが、それは映画でも同じだった。この週末にブラジルの映画興行成績で最も稼いだ映画も、ブラジルの大統領選をテーマにしたものだった。
 その映画の名は「オ・カンジダット・オネスト」。その名もズバリ、「正直な候補者」だ。この映画は、もともとは周囲から好感を持たれていた陽気なバスの労働組合会長が、汚職に汚職を重ねることで出世して政界進出も果たした上、遂には大統領選にまで立候補する。その選挙でも主人公は一次投票を突破し、決選投票でも勝利に手が届く状況だったが、魔法の力を持つ彼の祖母が死の淵で最後の魔法をかけた。それは、彼が二度と嘘をつけなくなる、というものだった。
 この映画で主役を演じるのは、レアンドロ・ハッサン(41)。現在、ブラジル映画界で最も稼ぐコメディ俳優だ。彼が出演した、ここ4作の主演映画の興行成績の合計は9880万レアル。これは、同じくコメディ俳優のファビオ・ポルシャの8410万レアルを上回り、ブラジルの俳優全体で1位。ハリウッド・デビューも果たした実力派で国民的俳優のセルトン・メロ(3720万レアル)やヴァギネル・モウラ(2090万レアル)の倍以上の数字だ。
 レアンドロは出世作となった「アテ・キ・ア・ソルテ・ノス・セパレ(幸運が僕たちを別れさせるまで)」で、宝くじが当たって物欲に歯止めがかからなくなる主人公の役を演じているが、今回の「オ・オネスト・カンジダット」も、同作の監督、脚本家とタッグを組んだ一作だった。
 こうした風刺映画は彼の得意とするところだが、レアンドロは今回の映画を「最も難しい作品だった」と語っている。「政治に対する意見は込められているが、同時にそれを偏ったものにしたくなかった。そうしないと、自分たちの意見が政党のプロパガンダ(宣伝)みたいになりかねないからね」とレアンドロは語っている。
 また、レアンドロと言えば、肥満体を揺らして体で笑いを取るタイプとしても有名だが、先頃、テレビ番組のインタビューで、「健康のことを考えて」、11月に胃の縮小手術をすることを明らかにしている。
 「オ・カンジダット・オネスト」は選挙のあった週末、547万6600レアルを稼ぎ、2位の映画に倍以上の差をつけて、ブラジルで最も見られた映画となっている。(3日付G1サイトより)