5日、大統領選の一時投票が行なわれ、現職のジウマ大統領(労働者党・PT)と民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス氏が26日に行なわれる決選投票に進んだ。PTとPSDBの候補による決選投票は5回連続となったが、9月の時点の支持率調査では3位だったアエシオ氏が予想を大きく上回る支持を獲得したことに注目が集まっている。6日付伯字紙が報じている。
5日の一次投票でジウマ大統領は41・52%の得票を獲得し、一次選挙を1位で通過した。だが、2010年の前回選挙時に獲得した46・91%よりはだいぶ数字を落とした。ジウマ氏は15州、3522市で1位となった。また今回の支持率は、ルーラ前大統領が初当選した2002年の選挙以来、PT候補が一次選で獲得した中で最も低い数字だ。
これに対し2位に入ったのは33・62%の支持を獲得したアエシオ氏だった。今回の数字は前回の選挙でPSDBの候補だったジョゼ・セーラ氏の32・61%よりやや高いだけだ。
だが、これはダッタフォーリャやイボッピといった調査機関による支持率の予想を大きく上回った。それらの機関の調査でのアエシオ氏の支持率は10月2日の時点まで20%前後で推移し、マリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)の支持率以下で、3位だったからだ。
投票日2日ほど前からは支持率でマリーナ氏を抜き始めたが、数字的には25%に届くか届かないかといったところだった。だが、選挙当日にダッタフォーリャが行なった出口調査で30%に達すると、結果はそれをさらに上回った。
アエシオ氏は連邦直轄区と9州、1761市で支持を獲得したが、サンパウロ州での得票率は43・7%で、ジウマ氏の26・1%を大きく上回った。
一方、9月中旬までは「決選投票までもつれたら大統領選に勝利する」とまで予想されていたマリーナ氏は、21・29%で3位に終わった。マリーナ氏は一次選の世論調査でも一時は30%半ばの支持率に至っていたが、政見放送でのPTからの個人攻撃でダメージを受け、さらに、一部公約の撤回や発言の矛盾、政権獲得の際の閣僚組閣の実現性などへの疑問符などが重なり、「政治改革」を期待した層からの支持をアエシオ氏に奪われる形となってしまった。
決戦投票のカギを握るのは、20%を超える支持を獲得したマリーナ氏の票がどこに流れるのかだが、マリーナ氏は5日の敗戦後、PTの自身への攻撃を批判し、さらに「この国は変革が必要な段階にある」として、決選投票でのアエシオ氏支持をほのめかした。PSBはジウマ政権で連立を組んだ党だが、関係者の話だと党内のジウマ支持は少数派で、ベト・アルブケルケ副候補も「あれだけの批判を受けた後でジウマ氏に票を入れることは考えにくい」と語っている。
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