サンパウロ市では市立保育園の入園待ち児童数が3カ月間で3万人以上増え、9月30日の時点で16万495人になったことが2日に発表されたフェルナンド・ハダジ労働者党(PT)市政の報告書で明らかになったと3日付アゴーラ紙が報じた。
このデータは、3歳11カ月以下の子供の4分の1が保育園に入るのを待っている事を示している。9月の待機児童数は昨年10月に記録した17万472人に次ぐもので、現ハダジ市政においては2番目に大きな数字となった。6月30日から9月30日にかけての待機児童増加率は24・88%で、昨年同期の23・26%を上回った。
ハダジ市政では現在、2016年末までに少なくとも172の保育園の建設を計画している。2013年1月に前ジウベルト・カサビ市政を引き継いだ時の待機児童数は7万9207人だった。
6月30日現在の保育園の在籍者数は22万2495人だったが、9月30日には3311人増えて22万5806人となっている。
9月末現在で待機児童が最も多いのはサンパウロ市南部で、全体の43・44%にあたる6万9716人が住んでいる。待機児童の多い地区上位5カ所はすべて南部にあり、5地区だけで待機児童数の24・12%を占める。
南部以外で待機児童数の多い地区としては、サポペンバ(東部)やブラジランジア(北部)などが挙げられている。
28歳の主婦アウリネイジ・ゴメス・デ・ソウザさんは、仕事を探すために2人の娘を公立保育園に入れたいと願っている。3歳の長女と5カ月の次女を抱える家庭は、警備員の夫のエルナンデス・アシス・デ・ソウザさん(37)の収入に頼りきりだ。ソウザさんは「次女が1歳になったら働きたいわ」と言い、年初めに2人の娘を空き待ちのリストに登録した。長女は既に3歳なので、2015年の幼稚園入学を待たなくてはならないと覚悟し、同じく保育園に入れなかった隣の子供を預かっている。
市教育局は文書で、2013年1月以降、「保育園の定員数は大幅に増えた」と言った。同局によると、現在の定員枠は2万5459人分増えており、「13年1月以降に26の保育園が完成。現在も五つが建設中で、43の候補地が入札にかけられている」という。
サンパウロ市教育局はさらに、「現在の定員拡大計画は過去最大で、243の保育園新設を予定している」と述べた。前述のソウザさんの二人の娘に関しては、それぞれ定員の空き待ちで18番目と1016番目だとしたが、入園日時に関する情報は一切提供しなかった。
サンパウロ州公選弁護人のルイス・フェリペ・ファグンデスさんは、「公立保育園に子供を入れたい両親からは1日50件の訴状を受け取っている」と言う。裁判所で扱うのは家庭収入が最低賃金三つ(2172レアル)以下で既に入園待ちリストに登録している家庭の子供だけだ。同氏によると、「両親に有利な判決がでても、入園待ちのリストで上位にくるだけで、すぐに入れるわけではない」という。