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上院・下院=統一戦後の勢力図は?=上院では現与党勢力強し=下院は大統領選次第で流動も=下議でPT減、PSDB躍進

 5日、大統領選や知事選と共に上院、下院議員の選挙も同時に行なわれた。現在の連邦政府の連立政党の勢力は多数派を保ってはいるものの、ジウマ大統領の労働者党(PT)が下院で議席を大きく減らした上、与党への協力党も大統領選の対抗馬であるアエシオ・ネーヴェス氏の民主社会党(PSDB)支持に鞍替えする可能性があり、予断は許さない。6日付伯字紙が報じている。

 今年の上院選は、定員81名のうちの3分の1にあたる27議席の改編選挙だ。つまり、全国26州と連邦直轄区の27の選挙区で1人ずつが入れ替わる計算となる。
 上院選でもっとも多く当選者を出したのは民主運動党(PMDB)の5人。PSDBは民主労働党(PDT)と同じ4人で続くが、議席を2人減らした。PTはブラジル社会党(PSB)と民主党(DEM)と並び3人だった。
 この結果、15年以降の上院はPMDBの18人、PTの12人をはじめ、ジウマ氏支持の勢力が3分の2近くを占める53人となり、PSDB側の連立党(DEMなど)の19人を大きく上回っている。
 一方、下院に目を移すと、新たに選ばれた513議席を議席の多い順に述べて行くと、1位はPTの70人で、2位がPMDBの66人、3位がPSDBの54人、以下、社会民主党(PSD)37人、進歩党(PP)36人、PSBと共和党(PR)各34人、ブラジル労働党(PTB)25人、DEM22人、ブラジル共和党(PRB)21人、PDT19人、今回初参加の新党・連帯(SDD)15人、キリスト教社会党(PSC)12人、新党の社会秩序共和党(PROS)11人、ブラジル共産党(PCdoB)10人、その他47人となっている。
 下院議員の数は、次の大統領選での政見放送の時間の割当がその数に比例して決まるため、非常に重要な意味を持つ。
 ここでも現在の与党主要2党が全体の1、2位を占めるほか、ジウマ氏支持の党の合計も267人で議会の過半数を超える。対してアエシオ氏側の勢力は128人だ。
 だが、PTは下議数を18人減らし、PSDBが逆に10人増やしたことは気になるところだ。
 また、アエシオ氏が仮に大統領選で勝利した場合、下院での勢力に関してはまだ伸び代があるのも確かだ。大統領選の一次投票後、3位に終わったマリーナ・シウヴァ氏はアエシオ氏の支持を表明しているが、所属のPSBが政治改革を目指しPSDBと手を組むことは考えられる。
 さらに、連立与党の中にも、PSDは元々PSDBやDEMの党員が多く、さらにPMDB内部にもPSDB支持の勢力が決して少なくないことから、大統領選の結果次第では、支持の変更を行なう可能性がないわけではない。PMDBは、カルドーゾ元大統領の第2期政権(1998~02年)ではPSDBと連立を組んでもいる。