ブラジルで初めてエボラ出血熱の疑いがもたれる患者がパラナ州カスカベル市で発見され、リオ市に搬送されたと10日付の伯字紙や各紙サイトが報じている。
感染が疑われているのは、難民申請後にモロッコ経由で入国したギニア人男性のスレイマン・バーさん(47)で、8日から発熱が続いていたため、9日にカスカベル市ブラジリア地区の緊急医療施設を訪れた。
9日夜の時点の熱は38度程度で、出血や嘔吐などの症状も出ていないが、母国のギニアからモロッコを経由して9月19日にブラジルに到着という経歴からエボラ出血熱感染の可能性が疑われ、入院を命じられた。同施設の患者は、保健局の定める対応に従い、他の病院に移された。
ギアナはシエラ・レオネ、リベリアと並び、エボラ出血熱で一番多くの死者を記録している3カ国の一つだ。現在のエボラ出血熱の感染は史上最悪で、世界保健機構(WHO)によると10月5日までに8011人の感染が確認され、3879人の死者が出ている。
カスカベル市とパラナ州は、患者がエボラ出血熱の初期症状を起こしている可能性があるとして保健省に通知。10日未明に空軍機でカスカベル市を出た患者は、10日午前6時半頃、リオ市のガレオン空軍基地に着いた後、ブラジルのエボラ出血熱発生時の受け入れ先である国立エバンドロ・シャガス感染症研究所に搬送された。
「エボラ出血熱の初期症状は分かりにくく、ただの風邪やマラリア、デング熱の可能性もあったが、最悪の場合も想定し、検査結果が出るまで隔離を続ける」と感染症医は言う。患者は隔離されたまま、体温や血圧の測定などの基本的な治療を受けている。エボラ出血熱感染の有無を検査するための最初の血液採取で、マラリアの可能性は否定された。血液採取は2度行われ、最終結果は3日後に判明する。
発症後の患者と接触した64人は21日間、監察下に置かれる。
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