スザノ文化協会(森和弘会長)は初めてのすき焼き祭りを4日昼から夜まで開催した。寒波がやってきて肌寒い陽気となり〃すき焼き日和〃に恵まれ、1200人分が用意されたが、会館いっぱいに並べた机がほぼ一杯になるほどの大盛況となり、鍋代わりの中華鍋がずらりと長机に並んだ。
婦人部を中心に約60人が裏方を担い、要となるタレは日本食品製造で有名な高木醸造食品が担当したのでレストラン並みの味が実現した。一鍋100レアル(四人分、飲み物付)で、すき焼きを食べない子どもがいる事も考慮し、サウガードも同時に販売された。
森会長は「今までは焼きそばが中心だったが、新しくすき焼きを始めた。僕も大好きな料理なんだ。福博村や本願寺がすでにイベントをやっていたので知名度があるし、純粋な日本料理として広めたいということになった」と始めた理由を説明し、会場中を忙しく歩き回っていた。
地元来場者の松本正義さん(92、山口)は、「一つの鍋をみんなでつつくというすき焼きは社交に持ってこい。新しい試みとして楽しみにしていた」と箸を動かしながら語った。「4人じゃ食べきれないぐらい量があって、むしろ安い」「タレの味がとても良い」などの声が会場から聞かれた。
同文協の吉田稔さん(76、岡山)は「坂本九の『上を向いて歩こう』はスキヤキソングと呼ばれ、こちらでも人気が高く有名だが、案外実際に食べたブラジル人は少ない。日本料理としてもっと広まっていい」と3割以上が非日系の会場を見回しながらしみじみ語った。
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