【既報関連】ブラジル初のエボラ出血熱感染が疑われ、10日にリオ市の国立エバンドロ・シャガス感染症研究所に搬送されて血液検査を受けていたギニア人のスレイマン・バーさん(47)検査結果は2度とも陰性だったと12日付伯字各紙や13日付サイトが報じた。
エボラ出血熱の最初の流行は1976年にスーダン(現南スーダン)とザイール(現コンゴ民主共和国)で発生。2013年末から続く今回の大流行以前に4回の大流行が起きており、その度沈静化している。5度目の大流行となる今回は史上最悪の8339人の感染者が確認され、4033人の死者が出ている。
一次検査の結果は11日に発表され、陰性(エボラ出血熱に罹患していない)だった。2度目の血液検査の結果は13日午後4時半にやはり陰性と発表された。患者は12日の時点でも熱や嘔吐、出血といった症状がなく、陰性と判断され次第退院とされていた。隔離前に同氏と接触、感染した疑いがあるとして隔離、監視下におかれていた64人も解放される。
エボラ出血熱の疑いのある患者が出たカスカベル市では同市内のアフリカ系移民やハイチ人が深刻な差別に遭っていた。来伯1カ月のギニア人生物学者のアブドゥライン・テリー・ディアッロさん(26)は12日、「食堂で席につくと、隣の人たちが逃げていく。道を歩いていても『ここから出て行け、病気を持ってくるな』と何度も言われたよ」と語る。「バーさんの検査結果が良いものである事を皆が願っている。そうじゃないとここで生きていけなくなるからね」と結ぶ。9日に今回の件が公表されて以来、ギニア人であることを理由に採用試験で落ちた人もいる。
同じくギニア人で販売員のラヤ・バンガリ・カマラさん(27)は「ブラジル人は僕たちがギニアから来る前に何度も衛生、健康チェックを受けている事を知るべきだ。それにパスしないとビザだっておりない」と訴えた。