ブラジル日本商工会議所(藤井晋介会頭)の定例昼食会が9月26日、サンパウロ市内のホテルで行われた。在コロンビア日本国大使館の渡部和男特命全権大使が「安倍総理のコロンビア訪問と今後の日コロンビア経済関係」のスピーチを行なった。
7月末に安倍晋三首相が現職総理としてコロンビアを初訪問。政府、在留邦人らと懇親会を行い、名産のコーヒーや花で会場を彩ったイベントが盛況に終わったという。また6月には高円宮妃久子さまが訪れたことで、皇室の初訪問も実現している。
経済、スポーツ、女性の地位向上などに関する二国間協定を結び、「コロンビアに対し、政府や民間から関心を高めるきっかけになった」とその成果を喜んだ。また「(自由貿易を基礎とする)経済連携協定(EPA)の早期締結や、インフラ、科学技術など協力可能な分野の拡大にもつながった」と話した。
日本とは1908年に修好通商航海条約を締結。在住日系人は1700人ほどで、在留邦人は1332人、進出企業は現在77社となっている。日系企業の親睦組織「木曜会」には37社が加盟しているという。
日本からは自動車、電機機器類を輸入、輸出はコーヒー、切花などが主力。進出企業は古河電工の光ケーブル、日清のインスタント食品、富士フィルムのカメラ製品、伊藤忠の石炭分野への投資などで貢献しており、「警察がスズキ社製のバイクを使用するなど、日本企業への信頼は厚い」と自信を見せた。
11年9月には日コロンビア投資協定を結び、また今年9月の第7回日コEPA交渉でほぼ合意に至るなど、国政間でも距離を縮める両国。「韓国は13年にEPAに合意済み。2カ月ごとに交渉を重ねており、遅れをとらぬよう年内合意を願う」と望んだ。