昨年ブラジルに進出した旅行会社JTB(本社・東京)と、ブラジル業界上位のアラツールによる合弁会社「アラツールJTB」が1日、クイックリートラベル(本社・サンパウロ市)の株式51%を取得した。クイックリー社が進出企業筋に強いことから、同市場の強化を狙う。アラツールJTBの田尾健二郎執行役員、クイックリー社の文岡正樹社長が同日、来社して説明した。
田尾役員は「クイックリー社が設立から16年で得た信頼、アラツール社の組織力を合わせ、当地でより質の良いサービスを提供したい」とし、「私たちは旅行業務を〃交流文化事業〃と捉えている。ブラジルにおける日系、アジア市場向けの取り組みを強化することで、より活発な国際交流を促進できれば」と望んだ。
リオ五輪などを控え、日本はもちろん、欧米などと太いネットワークを持つJTBだけに文岡社長は、「世界35カ国に487拠点を構える国際網と、年間販売額約14億レアルを越えるノウハウがある。弊社の日本語対応機能と合わせ、迅速かつ質の高いサービスが可能になる」と語り、ブラジル内にとどまらない有機的な展開を模索しているようだ。
翌日にはクイックリー社の従業員約70人を集め、サンパウロ市内のホテルで夕食会を行なった。アラツールJTBのフランシスコ・カルピネリ社長ら役員も出席して共同で取り組む意義を説き、新たな門出を祝った。