ブラジルを代表する大物女優のひとり、グロリア・メネゼスが19日で80歳を迎えた。
ブラジルの女優の中には、高齢を迎えても、テレビのノヴェーラや演劇界の主演級であり続ける女優も珍しくない。92歳を迎えたミュージカル歌手のヴィヴィ・フェレイラしかり、「セントラル・ステーション」でオスカーにもノミネートされた85歳のフェルナンダ・モンテネグロしかり。72歳になっても若々しいファッションでノヴェーラの常連出演者であり続けるスザーナ・ヴィエイラなど、例をあげていけば尽きない。
その中で、グロリア・メネゼスも忘れてはならない存在だ。テレビ草創期の50年代からお茶の間に顔を出しはじめたグロリアは、1962年、カンヌ映画祭で、後にも先にもブラジルではこれが唯一となる大賞のパルム・ドールを受賞した「オ・パガドール・デ・プロメッサス」でレオナルド・ヴィラール扮する主人公の妻役で出演。注目を浴びることとなる。
このように20代の頃に既にブラジル映画史に残る仕事を行なったグロリアだが、一般的に知られているのは、1963年に結婚した二枚目俳優タルシシオ・メイラとのおしどり夫婦ぶりだ。2人は結婚した年にエセルシオール局のノヴェーラ「2―5499オクパード」に恋人役で出演して以来、幾度も共演を重ねた。特にタルシシオが主演をつとめ、「ブラジル・ノヴェーラ史上屈指の傑作」との呼び声が高いグローボ局初期の名作ノヴェーラ、「イルモンス・コラージェン」では3人の異なるキャラクターを1人で演じきり、絶賛された。
タルシシオとは1977年のグローボのヒット・ノヴェーラ「エスペーリョ・マジコ」でも共演。1988年にはその名もズバリ「タルシシオとグロリア」という名のバラエティ・ショーがグローボで放送された。ブラジルにはニュース・キャスターのウィリアム・ボネールとファッチマ・ベルナルデス、司会者のルシアノ・フッキとアンジェリカなど夫婦の有名人が珍しくないが、その先駆けとなったタルシシオとグロリアは、結婚50年を超えた現在も夫婦のままだ。
またグロリアは、フェルナンダ・モンテネグロの代表作として名高いノヴェーラ「ゲーラ・ドス・セクソス」(1983年)や、ブラジル・ノヴェーラ史が生んだ最大の女優レジーナ・デュアルテの敵役を演じた「ライニャ・ダ・スカタ」でも話題を呼んだ。
その後もグロリアは2年に1作以上のペースで、ノヴェーラに出演し続けている。最新の出演作でこの3月まで放送されていた「ジョイア・ララ」では仏教の僧侶役を演じるために剃髪したことでも話題を呼んでいた。(19日付エスタード紙より)
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