ブラジル北海道協会(大沼宣信会長)が19日午前10時から、『北海道人ブラジル移住95周年並び協会創立75周年式典』をサンパウロ市の同交流センターで行なった。センター建設からも15年が経ち、三つの節目を迎えた。北海道からは高井修副知事、加藤礼一議会議長ら約20人が慶祝に訪れ、参列者400人以上で賑わった。高井副知事は「ここには日本人の忘れた心がある。我々も見習わなければ」と感服した様子を見せ、加藤議会議長も祝辞で「5年後の道民移住100周年に向け大きな支援を約束する」と宣言した。
黙祷、両国歌斉唱の後、大沼会長は「協会は母県との交流拠点として存続してきた。移住した道民が種を蒔き、ブラジルの大地で大きな果実を実らせている」と発展を報告した。祝辞に立った高井副知事は「1918年の小笠原一家に始まる道民移住は2万人以上。移住者の支えとなった協会に感謝」と述べ、加藤議長も「子孫は約四千家族14万人以上に増えたと聞く。日伯の友好関係により一層の貢献を願う」などと述べた。
福嶌教輝在聖総領事は「協会の中で、婦人のはまなす会、青年のひぐま会、ボーイスカウトにゲートボールなど八つも活動していることに深く敬意を表する」と称え、安部順二連邦下議、羽藤ジョージサンパウロ州議も祝いの言葉を送った。功労者及び80歳以上の高齢者表彰や、記念品を交換し祝賀会へ。鏡割り、記念ケーキカットを行い、アトラクションではYosakoiソーラン「一心」やはまなす会の日本舞踊、サンバ隊が会場に彩りを加えた。
「ひぐま会」会長で、元道費留学生の鈴木カリーナ幸さん(29、二世)は「日本での経験は何ものにも代え難い。留学研修制度は絶対になくさないで」と訴え、「よさこいなどで魅力を伝え、もっと若い会員を増やしたい」と話した。
式典後、高井副知事は「日本人が忘れた文化や心を後世に残そうとする姿勢を、我々も見習わなければ」と語り、刺激を受けた様子だった。センター建設時にも来伯した加藤議会議長は、「高齢化がより一層進んだ印象。世代交代が進み、言葉などの問題も」と語り、「五世も生まれている時代。日本文化継承のためにも、若者を北海道からも応援しなければ」と力強く語った。
5年後には道民移住100年という節目を迎える。大沼会長は「明日からは100周年のスタート」と気を引き締め、「来年1月の札幌雪祭りには6人の視察団を訪日させる。実行委員会を設立し計画書を渡したい」と、早速動き出す構えを見せた。