20日、11月8~18日に北京で行なわれるサッカーのU21(21歳以下)国際トーナメントに出場するセレソンの発表があったが、このメンバーが色々な意味で大きな話題を呼んでいる。
まず、今回選ばれたU21のメンバーで、10月に行なわれたボリビア本代表とアメリカのU23との対戦の際選ばれたメンバーと重なっているのは23人中、わずか4人しかいない。
それもそのはず、今回召集されたU21では、上限の21歳の選手はゴールキーパーの2人だけで、残りは全員19歳以下の選手だからだ。さらに、17歳の選手が2人混ざっている。
これは、来年開催されるU20のワールドカップ南米予選の予行演習を兼ねたラインナップで、本来、「U19」にあたる世代を他の国のU21と戦わせることで底上げを狙っている。
なかなか大胆な行為だが、ブラジルのアンダー世代の監督であるアレッシャンドレ・ガロ氏の行動は、ブラジル・サッカー界から反感を買いそうだとメディアが心配の声をあげている。
その理由は、彼らを他の国の上の世代と戦わせることとは全く違うところにある。それは、「シーズン後半の大事な時期に大事な選手が代表に取られるなんて」というクラブ側の苦情だ。
通常、「19歳以下の選手」となると、世界のどこのクラブでも公式戦に出場しはじめるくらいの年齢で、代表召集されたところでそこまで所属チームの迷惑にはならないはずだ。
だが、今回のU21の招集選手に限って言えば、各チームのレギュラークラスが目立っている。このセレソンでエースとなることが確実視されているサントスのガブリエル(18、通称ガビゴル)は、全国選手権でチームトップの7点を叩き出している。
その他にも、カルロス(19)とマウコン(17)はそれぞれ、アトレチコ・ミネイロとコリンチャンスのフォワードのレギュラーで、マテウス・ビテコ(19)もグレミオの攻撃的ミッドフィールダー、アウロ(18)もサンパウロの右サイドバックのレギュラーだ。
今、名前をあげた選手はいずれも、リベルタドーレスの出場権をかけて戦う上位チームの主力だ。また、タレス(19)も、現在2部落ちし、1部再昇格を狙う名門ヴァスコ・ダ・ガマのエースストライカーだ。
彼らは11月に入ると、約2~3週間はセレソンの練習と大会に専念することになる。そのため、全国選手権の2~3試合分、チームによってはブラジル杯の準決勝や決勝に出られない選手も出てくるはずだ。
こうした事情を考えると、クラブ側が悲鳴をあげるのもよくわかる。だが、これは裏返せば、今のブラジル・サッカー界の10代後半の世代の充実ぶりも物語っている。彼らがいち早く国際的に見ても優れた選手に成長するため、ここはクラブ側にも理解が求められるところだ。(20日付グローボサイトより)
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