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防弾車が最も多いブラジル=10年間で5倍に増加

 乗用車や商用軽量車の販売が8・8%減る中、防弾車の販売は昨年も21%などと増え続け、走行車数は10年間で5倍になったと19日付エスタード紙が報じた。
 ブラジル防御協会(Abrablin)によれば、13年末現在の防弾車数は1万156台で、現在は1万2千台超だ。昨年末の時点で世界最多だったメキシコを上回っており、女性や子供がいる家庭の消費者も防弾車を求めているという。
 防弾車製造への投資も増え、防弾措置を施した新車や中古車の販売とレンタルを手がけるAvallonグループは、1500万レアルをかけ、サンパウロ州コチアに月間120台の生産能力を持つ工場を建設中だ。同工場が15年半ばに完成するまでは夜勤のグループを増やして需要に応じる。
 高級車の販売で知られるエウロバイクも、300万レアルを投じて防弾措置を施す部門を新設した。年頭に同部門を開設した時の処理能力は月35~40台だったが、現在は月50台の処理が可能で、年末までに350台の防弾車を納入する予定だ。同社では15年の防弾車の需要は15%拡大すると見ている。
 メルセデス・ベンツ社が開設したレンタル部門も大半は防弾車だ。当面は大サンパウロ市圏のみの対応だが、同社では近日中に対応する範囲を拡大する予定だという。
 防弾車の需要増加は暴力事件増加の結果で、2カ月に1台の割合で修理を受け付けたコンセプト・ブリンダージェンの場合、大半は拳銃による傷だったという。