借金取立てなどを行う企業16社による研究機関Geocの調査によると、ブラジル人の10人に8人は何らかの負債を抱えており、負債者の2割は負債を返しきらない内に新たな借金をしていると21日付エスタード紙やG1サイトが報じた。
銀行に対する負債がある消費者は8月も4・4%で数の上での変化はなかったが、市場ではクレジットカードなども含んだ負債を抱える消費者が増え、47・3%は年内の返済を諦めている。
これらの調査結果は21日の融資と取り立てに関する全国会議でも報告された。Geoc理事のジェフェルソン・フラウシェス・ヴィアナ氏によれば、今年はW杯があった事もあり、上半期の借金回収は困難で、6~7月に開かれた借金回収のための再交渉で返済計画がまとまった例は、昨年同期より30~35%少なかった。
また、債務者の内約250万人は誰にいくら返さなければならないかを知らないが、こういう人は再交渉も不可能なため、100万レアルを投じてDr.Debitoと呼ばれるサイトを開設し、24時間体制で負債の有無や債権者、負債額を調べられるようにした。ただし、このサイト上では返済計画作成のための再交渉は出来ない。
負債を抱える人や返済が3カ月以上遅れる債務不履行者の増加は、本人の借金だけが原因ではない。回答者の56%は親戚や友人が融資を受けられないために名前を貸した事があり、その76%は親戚や友人からが返済しなかったせいで債務不履行者のリストに名前が載った。自分の借金や名前を貸した事で債務不履行となった事のある人は回答者の約75%いた。
クレジットカードや店のカードなど、複数の方法で買物をしたり、クレジット会社で金を借りたりして、一時は10件の負債を負い、返済の遅れも6件以上あったという女性は、新しい仕事も兼ねる事で収入増を図り、徐々に負債額を減らしている。負債を抱えている人の53・4%は高価な買物を控え、40・5%は外食や映画鑑賞といったレジャー費を削減しているという。
銀行やクレジット会社で融資を受けると、利息などについて説明もせずに金だけ貸す例も多い。個人融資や特別小切手が原因の債務者は2010年の12%から35%に3倍増。クレジットカードが原因の債務者も、42%から65%にと50%余り増えている。
銀行業務集中サービス(Serasa)では11月に負債返済を支援するための「スーペル・フェイロン・リンパ・ノーメ」を開催。オンラインなら11月4~11日、サンパウロ市南部サントアマローロのバスターミナル横のマイス・ショッピングでは11月4~8日に再交渉に応じてくれる。
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