大統領選挙まで残りあと2日となったが、ここに来て、ジウマ政権に都合の悪い統計上のデータの発表が先延ばしされていると、23日付フォーリャ紙が報じている。
フォーリャ紙によると、本来、決選投票前に発表されるはずだったが発表が延期されたデータには、小中学校の生徒のポルトガル語と数学(算数)の習得度、税収、森林伐採、貧困についての新たな研究結果などがあるという。これらは大統領選挙の終了後に発表されることになる。
ポ語と数学の成績に関するデータは通常なら8月に発表されるものだ。だが今年の場合、教育省は9月に隔年で発表されている基礎教育開発指数(Ideb)の13年度版の数字を発表しただけで、各教科の成績は伏せたままだ。サンパウロ総合大学(USP)のオシマル・アラヴァルス教授は、「13年11月に行なった試験の結果が出るのが14年11月までずれ込むと、現状の分析が限られてしまう」と語っている。
また、9月の税の徴収状況も10月26日以降に発表される。税収の発表は通常なら毎月25日に行なわれることになっている。今年の場合、4月、5月、6月分の発表が25日より後になった例はあるが、今年の税収は景気の落ち込みを反映し、ジウマ政権が予想する数字を下回る状態が続いており、現政権の泣き所の一つとなっていた。
また、森林伐採に関するデータは各月毎のデータが発表されるのに、10月はそれが出ておらず、11月に8月分と9月分が2月分まとめて発表されることになっている。非政府団体のImazonの発表によると、14年8月と9月の2カ月間の森林伐採は、前年同期比で191%増になっている。
また、応用経済調査院(Ipea)による極貧層に関する調査発表も遅れている。これに関しては10月11日付フォーリャ紙が、Ipeaが正式発表する前にデータを入手して報道している。それによると、これまで下がり続けていた極貧者の数が、最新の調査対象年の2013年には1110万人(人口の6%)となり、12年の1090万人(5・8%)より増えていた。
その一方、7月と8月のインフレ率はやや抑制されたこと(12カ月累計では上限の6・5%を突破したが)や、8月の小売販売が上がったことなどは報道された。こうした情報を元に、21日発表のダッタフォーリャの大統領選アンケートでは、「経済に関する楽観的な見方がジウマ支持を押し上げた」といった分析もなされた。だが、インフレ率は上昇傾向にあり、9月には12カ月の累計が6・75%に達した。国内総生産(GDP)の2014年の予想も現時点ではわずか0・27%となっている。
23日にも9月の失業率が4・9%で、9月としては2002年以来の低い数字となったことが発表されたが、同月の雇用創出数は約12万3800件で、9月としては2001年以来、最小の数字となっている。