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大統領選決選投票=ジウマかアエシオか?=有名人はどちらに投票?

 26日はブラジルの大統領選挙の決選投票となる。ブラジル大統領選挙史上でも最大の接戦と言われる選挙ということもあり、国民の関心も高いが、ブラジルを代表する有名人はジウマ大統領(労働者党・PT)とアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)のどちらの候補に投票するか、見てみよう。
 23日、ネイマールがアエシオ氏支持を表明したが、サッカー選手からはアエシオ氏への支持が目立っている。先日、上院議員選挙で当選を果たしたロマーリオもアエシオ氏支持者だ。彼の場合、所属のブラジル社会党(PSB)もアエシオ氏支持だ。またロナウドは、早い段階からアエシオ氏支持を打ち出していたことでも知られている。
 また、総合格闘技のアンデルソン・シウヴァもアエシオ氏を支持している。
 一方、芸能関係者になると、派は二つに分かれるが、PTのジウマ氏の方がやや目立つようだ。それは、アメリカやイギリスの芸能界でも同じことが言えるが、芸能関係者はよりリベラルで左翼的な傾向につきがちな傾向があるからだ。
 そうしたこともあり、ジウマ氏支持には妹がジウマ政権で文化相を務めたシコ・ブアルキ、カエターノ・ヴェローゾ、ルーラ政権で文化相を務めたジルベルト・ジルといった大御所歌手から、最近人気のコメディ集団「ポルタス・ドス・フンドス」主催のグレゴリオ・ドゥヴィディエ、トーク番組のゲストなどで有名な「女装の漫画家」ラエルテなどの名前があがっている。
 もっとも彼らの多くは一次投票の際、左翼政権ながら保守化し、汚職も相次いだPTを避けて、左翼傾向がより強いマリーナ・シウヴァ氏(PSB)やルシアナ・ジェンロ氏(社会主義自由党・PSOL)に票を投じていた人が目立つ。
 だが、リベラル派の人たちの中でも、PSBが政治改革を求めて元来保守派のPSDBのアエシオ氏を支持したように、ガル・コスタやファファ・デ・ベレンのようにアエシオ氏支持を打ち出している人もいる。
 さらに毒舌ロック歌手のロボンは、アエシオ氏支持の芸能関係者を集めて同氏を支持する会を主催。そこで「アエシオ氏が負けると、狂信的なPT支持者から罵倒されたり襲われたりするのが怖い」と語っている。PTはPSDBに対して「独裁者」などの言葉を使って攻撃する傾向が強い。
 一方、アエシオ氏の支持者には「ブラジル版カントリー音楽」のセルタネージャの歌手が目立ち、大御所のゼゼ・ディカマルゴをはじめ多くが支持している。これはPSDBの「保守派」の政党カラーもさることながら、セルタネージャの盛んなゴイアス州がアエシオ氏の膝元のミナス・ジェライス州のすぐ隣であることも影響しているものと思われる。
 また、ブラジル大統領選は世界的な関心も強い。ハリウッドの黒人俳優ダニー・グローヴァーは「貧困対策を成功させた」、また、政治的かつ過激な歌詞で有名なロックバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが「ホームレス労働者運動(MST)への理解」という観点から、共にジウマ大統領への支持を表明している。(22日付Veja誌サイトより)