短歌誌「椰子樹」に連載された「ブラジル歌壇を支えた人々」が一冊の本にまとめられ、『流れの韻(ひび)き』(120ページ、日毎叢書発行、小野寺郁子著)として刊行された。ブラジル歌壇界に貢献してきた故人18人が登場する。
古くは1925年にアリアンサへ入植した、歌壇界の先駆者である岩波菊治さんや、パウリスタ新聞元記者で2012年に逝去した清谷益次さんら、功労者の略歴や作品、語録を掲載し、椰子樹会員で著者の小野寺さんが各人へのコメントを加えた。
同雑誌の多田那治代表に勧められ、2011年から企画が始動。著者は「清水夕子」のペンネームでこれまで、邦字紙の歌壇選者やエスペランサ短歌教室を担当してきた。「中には全く面識のない方もおり、その親族を探す苦労もあったが、遺族に取材することで、歌壇界への功績の多くを明らかにできた」と喜びを語った。
関係者にはすでに配布されたが、日毎叢書企画出版の協力により増刷されることになった。問い合わせは小野寺さん(11・2726・6101)まで。