経常収支=9月は赤字額79億ドル=12カ月累計は836億に=旅行者の国外消費減らず
中央銀行が24日、9月の経常収支は79億ドルの赤字で、同月としては集計開始以来、最大の赤字額を計上した事を発表したと25日付伯字紙が報じた。
経常収支は貿易とサービス、所得、経常移転の4項目の収入と支出の関係を示すもので、中銀では、9月の収支が大幅な赤字となった原因は、貿易収支の赤字と旅行者の国外消費の拡大、サービス収支の赤字拡大が主な原因と見ている。
貿易収支はここ数年伸び悩み、1~9月の収支も赤字で終っている。貿易収支の伸び悩みは世界的にコモディティ価格が低下しているなどの国際的な要因もあるが、ブラジルの場合、重税や生産コスト高で工業製品の国際的な競争力が落ちている事も原因だ。
旅行者の国外消費の拡大は止まる事を知らず、ブラジル人が9月に国外で使った金は23億9千万ドルに達した。この額は今年7月の24億1千万ドルに次ぐもので、中銀が統計を開始して以来2番目に大きな額だ。外国人が9月にブラジル内で落とした金は5億ドルだから、この項目の収支は19億ドルの赤字を計上した事になる。
市場関係者は、9月の為替は9・3%のドル高となったにも関わらず、国外消費が拡大している事に驚きの色を隠しきれない。専門家は、為替の不均衡や輸入関税が高いせいで国外で購入した方が安い品も多い事などから、所得向上でゆとりのできた消費者や企業家が買い物を目的とする旅行を計画する例が増えているのも原因としている。それでも、旅行に伴うドル流出額の伸びは13年の18%より落ち、9月は昨年同月比で15%に止まった。中銀担当者は「この項目は年間25%伸びた時期もあったが、今年に入ってからの伸びは4・5%」とし、国外での工業製品購入熱もやや下火になってきたと見ている。
サービス収支は、機械類の貸借料だけで161億6100万ドルの赤字を計上しているが、これは石油の増産に伴い、増え続ける見込みだ。
9月までの直近12カ月間の累積経常赤字は836億ドルで、国内総生産(GDP)の3・7%に達し、2002年2月の3・9%に次ぐ大きなものとなった。
経常収支の赤字拡大傾向はここ数年続いているが、9月の場合、ブラジル内で生産活動を行うための国外直接投資(IED)では赤字額を80%しかカバーできなかったという。現時点では、IEDでカバーできなかった赤字は、外国人による株式市場への当資や外国からの国債購入、融資によって埋め合わされている。