コチア青年連絡協議会(前田進会長)主催の傘寿・喜寿・古希合同祝賀会が25日、サンパウロ市の宮城県人会館で開かれた。今年は傘寿63人のほか、116人が喜寿、34人が古希の節目を迎え、コチア青年の平均年齢は79歳となった。南大河、パラナ、マットグロッソ州からも関係者が訪れ、120人あまりでにぎやかな一日を過ごした。来年はコチア青年移住60周年。記念式典は9月20日、国士舘センターで開催される予定。
飯田茂在聖領事部長、コチア青年二世の会代表の飯星ワルテル連邦下議、木原好規県連副会長、五十嵐司熟連会長らも出席した。羽鳥愼一副会長の司会により午前10時過ぎに開会し、広瀬哲洋副会長の開会の辞の後、物故者へ1分間の黙祷が捧げられた。
前田会長は、先月7日に行われた、同協議会主催の第15回マレットゴルフ大会の様子を振り返り「高齢を感じさせない参加者の動き。来年も再来年も見たい」と会員らの健康ぶりを喜んだ。また、来年のコチア青年移住60周年記念式典の開催協力を呼びかけた。
壇上に座った傘寿、喜寿、古希の該当出席者36人が一人ずつ紹介され、会長から記念品と花鉢を贈呈。来場者から温かい拍手が送られた。
来賓あいさつに続き、該当者を代表して傘寿を迎えた永山八郎さん(福島県人会会長)が謝辞。コチア青年の移住に尽力したコチア産業組合の下元健吉元専務、山中弘移民課長らコチア青年の恩人に対し感謝を語った。
西尾雅夫副会長が閉会の辞を述べた後は、南雲良治理事が乾杯の音頭を取り、出席者一同で乾杯。コチア青年の肥後秀樹さんが経営するブッフェの料理が並んだ昼食会は、午後3時まで盛り上がった。
「地元を良くしたい」=古希表彰の高橋さん
古希の表彰を受けた高橋勝昭さん(宮城、2次21回)は、南大河州マルセリーノ・ラーモスから孫のウィリアム・ブルーノ(27)さんと参加した。昼食会では、50年ぶりの再会となる、同期生で同じく古希の表彰を受けた中沢宏一宮城県人会会長と昔話に花を咲かせた。
高橋さんは、スザノで4年間の義務農年を果たしたが、独立支援金が支払われず、その後の5年間もサンパウロ州で小作農として働いた。「1日14時間働いて日曜日もない。奴隷のような日々だった」と当時を語る。
「このままでは駄目だ」と一念発起し、知人を頼り南大河州でサトウキビやマンジョッカなどの栽培を始めた。6年前、サトウキビの裁断機による事故で左手を失うも、息子2人と共に現在も農作業に励んでいる。
高橋さんは「母親を心配させないよう、泣きながら嘘の手紙を書いたこともあった。今となっては全てが感慨深い」と人生を振り返り「やりたいことは沢山ある。自分の生きてきたマルセリーノ・ラーモスの街を良くしたい」とこれからの人生について笑顔で話した。