公益財団法人・海外日系人協会(田中克之理事長)による「第55回海外日系人大会」が先月22日から3日間、東京都の憲政記念館などで開催された。22カ国・1地域から140人が出席し、『日本文化を創造する海外日系人社会 「和食」の展開に示す底力』をテーマに議論をかわした。ブラジルからは小池信也(文協和食普及委員長)、本橋幹久(県連会長)、二宮正人(国外就労者情報援護センター理事長)さんら9人が参加。日本のブラジル関係参加者と合わせた参加者数53人は参加国の中でも最多人数。ブラジルの実情を発信すると共に、日本や他国の関係者らと交流を深めた。 初日行なわれた協会主催の歓迎交流会には、皇太子殿下も御臨席された。
海外在住日系人が日本で一堂に会し、居住国の実情を相互に認識しあい、あわせて国際交流、国際理解、国際親善を深め、世界の対日理解の促進と強化を図る。
憲政記念館で開かれた代表者会議では、髙瀨寧外務省中南米局長らが「日本文化の伝承者、創造者としての日系人との新たな関係構築~安倍総理の中南米訪問を踏まえて~」など様々なテーマで講演を実施した。
午後は「日本文化の継承と発展」「日系社会とビジネス連携」「日系ユース」の3分科会にわかれて討議が行なわれ、「日本文化の継承に努めている私たちは、なかでも海外で受け入れられ進化を続ける和食文化を誇りに、創造性を磨いていく」ことなど7項目が決まった。
その中で、日本政府に対して「国籍喪失規定をなくし、重国籍を容認」、「海外日系人に対する日本政府の直接的な情報発信」、「観光立国をうたう日本として観光ビザの開放促進」を求めることが決まった。
留学生や研修生らが参加した日系ユース分科会では、「様々な文化の織りなす社会に育ちつつ身につけてきた日本文化の普及を図るとともに、国際ビジネスの発展に貢献する」ことで意見が一致した。
大会初日は、NPO法人日本料理アカデミー栗栖正博副理事長による講演「和食に息づく日本人の美意識」や、小池委員長による講演「海外で受け入れられ進化する和食文化」なども開かれた。
3日目は、海外日系文芸祭選考委員長・小塩卓哉氏による特別講演「海外日系文芸祭の10年」が行われ、ブラジル人学校「ティー・エス学園」(埼玉県児玉郡)の生徒による「日系人こども発表会」が行われた。最後に今年の決議事項が「大会宣言」として発表され、その後、衆参両議院議長主催による昼食会が開かれた。
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