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夏の未明は電力停止か=ダムの水位の回復目指し=鉱動相の任命の遅れに懸念

 全国電力システム運営機構(ONS)が10月30日、電力会社関係者に、1月の時点の南東伯の水力発電所のダム貯水量が30%まで回復しなければ、電力需要がピークを迎える1~2月の電力確保のために未明の電力供給を止める方針だと伝えたと5日付フォーリャ紙が報じた。
 未明の電力カットは、カルドーゾ政権でも01年の干ばつ後に検討された。同年11月の南東部のダム貯水量は23・04%まで低下したが、11月と12月に充分な雨が降り、未明の電力カットは回避された。それでも02年は電力需要ピーク時に広域停電が起き、電力カットや節電の呼びかけが行われた。
 現在は火力発電所の数も増えており、ジウマ大統領も電力カットを否定し続けているが、ONSでは3カ月前から南東/中西伯と北東伯のダム貯水量の低下を懸念する声が出、最近はその傾向が強まっていたという。
 というのも、今年のダム貯水池の水位低下は01年以上で、記録的な少雨だった10月末現在の南東伯の発電所のダム貯水量は18・27%。昨年10月の41・62%の半分以下だ。
 5日付エスタード紙によれば、リオ連邦大学のニヴァウデ・カストロ教授は、南東/中西伯のダムや貯水池は乾ききっており、雨が順調に降り始めても、12月半ばまで水位低下が続くと見ている。ONSでも、11月末の発電所ダムの平均貯水量は15・8%まで下がると見ている。
 ONSは、電力消費のピークとなる2月の需要は通常の5%増しと予想しているが、南東伯では今年、2月6日に5万1261メガワットの電力需要を記録。今月2日のピーク時の電力需要は3万8542メガワットだから、ONSが予想する5%で収まるか否かは定かではない。
 電力関連では、2013年に導入された電気料金引き下げ策後、発電、供給の両部門での負担が増し、予算額を上回る補助を必要とする状態が生じるなど、懸念事項がいくつも出ている。
 電気料金値下げのために必要な補助や、干ばつによって生じた火力発電所稼動に関わる経費支払いのための動力開発勘定(CDE)は、国の予算に計上されていた90億レアル以外に40億レアルが必要な状態で、関係者らは、特別収入拡大の方策やCDEの株の流用なども検討中だ。
 国庫からCDEへの支払は遅延しており、負担増に苦しむ電力会社からは20%近い料金調整の申し入れが続いている。
 エジソン・ロボン鉱山動力相とその右腕のマルシオ・ジメルマン局長は次政権には残らない見込みで、山積した問題に早期に対応するためにも、電力関係の入札が行われる12月までに人選が終るかが注目されている。