ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 大統領選後に早くも舌戦=「選挙終わった」とジウマ=アエシオは対話に難色=新内閣組閣への動きも

大統領選後に早くも舌戦=「選挙終わった」とジウマ=アエシオは対話に難色=新内閣組閣への動きも

 大統領選が終了して約10日後の5日、再選したジウマ大統領(労働者党・PT)と、惜しくも敗れたアエシオ・ネーヴェス上院議員(民主社会党・PSDB)はそれぞれの場で間接的に舌戦を展開した。6日付伯字紙が報じている。

 ジウマ大統領は5日、再選後の最初の公的行事として、大統領官邸に社会民主党(PSD)の首脳たちを迎えた。その席で、PSDBが大統領選の得票結果に疑念を抱いていることに関し、アエシオ氏の名前はあげず、「敗者側が怒るというのは民主主義を理解していないということ。選挙での勝敗は民主主義にはつきものの過程だ。もう選挙戦は終えるべきだ」と語った。
 また、ジウマ氏は「選挙に勝ったからと言って、奢ってはいけない」と語った後、「選挙に負けたからと言って自分の主張や立場を放棄しなければならないわけでもない」と発言。以前から自身が望んでいる野党側との対話を求めた。
 一方、アエシオ氏は、4日にブラジリアの連邦議会に復帰した。その際に「大統領が現在の姿勢を変えない限り対話には応じない」と語っていたが、5日に上院で行なった演説では、その意向をさらに強く示した。
 アエシオ氏は「大統領との対話は、ブラジル史上最大規模のスキャンダルであるペトロブラス疑惑に対してしかるべき捜査が行なわれ、厳罰を科すことが条件だ」と連邦政府に釘を刺した。
 アエシオ氏は、ジウマ氏の選挙戦は「なんでもありで、嘘や中傷まで行なって国を2分した」とし、選挙戦で遺恨が残ったことも示した。
 さらにアエシオ氏は、3日にPTの首脳が発表した政治改革のための要綱に関しても攻撃した。その要綱の中には「メディア規制法」の創設が含まれており、アエシオ氏は「政府の意向に反する意見を抑圧する支配的なものだ」と批判した。
 また、大統領選後の2日後に下院が、ジウマ氏が大統領令として出した「国民投票案」を否定する決議を行なったことに関し、上院も同様の決議をする意向であることを確認した。
 一方、5日のジウマ氏とPSD首脳の会合では、党首のジルベルト・カサビ前サンパウロ市市長が、PSDはジウマ大統領と一体となり、次の4年間も共に政権を担う意向だと表明した。カサビ氏は次期政権で都市相を任されると予想されている。PSDとの会合では、同党党員で元中央銀行総裁のエンリケ・メイレーレス氏が出席するかも注目されていたが、同氏の出席はなかったようだ。
 メイレーレス氏はルーラ前大統領がギド・マンテガ財務相の後任候補の一人として推薦しているが、ジウマ氏は同氏以外の人物を任命したいと考えている。市場関係者らは財務相の後任は来週末にオーストラリアのブリスベーンで開催されるG20首脳会議前に決まるかと期待していたが、ジウマ氏は5日、閣僚人事はG20以降、徐々に進めると明言した。