ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事が5日、大サンパウロ市圏でのカンタレイラ水系への依存度を減らすため、グアラピランガ水系からの取水量を増やす事と共に、水の再利用や貯水能力向上といった対策を推進中である事を公表したと6日付エスタード紙などが報じた。
カンタレイラ水系では11月に入ってからの5日間で月間平均降水量の3分の1の54・7ミリの雨が降ったが、乾いた地面が水を含むまでは水位低下は続き、6日朝は11・7%となった。
一方、同水系の給水地域に支援給水しているアウト・チエテ水系の貯水量は6日現在8・6%まで低下。こちらはカンタレイラのような〃未開の水域〃はないため、州政府は、6日現在の貯水量が37・1%あるグアラピランガ水系からの支援給水を増やす。
グアラピランガ水系からの支援給水は15日から1千リットル/秒、2015年9月からは更に1千リットル/秒増える予定だが、これらの措置に伴い、グアラピランガ水系ではビリングス湖からの取水量を2千リットル/秒から4千リットル/秒に増やす。これにより、クバトンの水力発電所への放水量は6千リットル/秒に削減される。
これらの案は短期の対策だが、カンタレイラ水系の枯渇という事態を受けて、ピッチが上がったのが、新たな貯水池や貯水槽の建設と下水の再利用計画だ。
特に注目されるのは10月30日にカンピーナス市も発表した下水の再利用で、サンパウロ市南部のインテルラゴス競技場近くとバルエリに処理施設(Epar)を建設し、2段階で処理した水をグアラピランガの貯水池とコチア川に戻すという。
重金属や有害物質などを処理した水は99%純粋で、貯水池や川に戻された後は浄水場で再処理後に上水道に供される。サンパウロ市南部に建設されるEparは2千リットル/秒、バルエリに建設されるEparは1千リットル/秒の水の処理能力を持ち、2015年12月に完成の予定だ。
また、貯水能力を高めるため、大サンパウロ市圏に浄化済みの水を蓄える貯水槽を29建設する計画も進んでおり、15年末には全て完成する予定だ。
また、5日には国家資源庁(ANA)長官が、サンパウロ州水道公社(Sabesp)での会合で、南パライバ川のジャグアリ貯水池とカンタレイラ水系のアチバイニャ貯水池を繋ぐ施設の建設計画は技術的に問題がなく、承認される可能性が強いと発言。建設にはリオ州との合意も必要で、ルイス・フックス最高裁判事が3日、20日に公聴会を開くため、サンパウロ州、リオ、ミナスの各州知事や州検察局、連邦検察庁、総弁護庁、環境省、水資源庁、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の各代表を招集した。