ペトロブラス(PB)が、ガソリンとディーゼル油の出口価格を7日から3%と5%値上げする事を6日に発表したと7日付伯字紙が報じた。
ガソリンとディーゼル油の価格調整は経営審議会議長でもあるギド・マンテガ財務相が4日の経営審議会で承認したが、値上げ幅と期日の決定は先延ばしされていた。
燃料価格の調整は何カ月も前から必要とされていたが、選挙前の値上げとインフレ高騰を嫌う政府が抑えていた。グラッサ・フォステル総裁が4日に準備していた資料によれば8%程度の調整となるはずだったのに3%~5%の値上げで終ったのは、年末に向けたインフレ圧力を殺ぐために他ならない。
燃料価格はそれ以外の部門にも影響を及ぼすため、政府としてはインフレ率が目標上限の6・5%を上回るのは避けたいところだが、専門家は一様に、この調整幅ではPBが値上げ回避によって被った損失は到底埋まらないと語っている。
PBが被った損失というのは、原油の国際価格が上昇した時期も含め、数年間にわたって国内の燃料価格が実際以下の調整で据え置かれた事で生じたもので、ここ3年間の損失額は800億レアル、赤字額は600億レアルといわれている。
原油の国際価格と国内の燃料価格の差は一時20%に達し、上半期の収入は昨年同期比1%減、生産コストは同2%増となり、利益率も5%から4%に落ちた。石油大手の利益率は13%前後だから、PBの利益率が低い事は一目瞭然だ。
国際価格と国内価格の差はPBの利益率が低い最大の理由で、精製部門と派生品の販売を含む供給部門の上半期のマージンは7%減となった。これは燃料精製コストが販売収益を上回った事を意味する。PBの収支バランスは年々悪化中で、負債額をいかにして減らすかは同社が現在抱えている最大の問題でもある。
インフレ抑制のために2012年に免除された燃料販売に伴う経済支配介入納付金(Cide)の復活はないため、消費者価格の上昇はガソリンで2%程度と見られている。インフレは年6・54%位になりそうだ。
PBはここ1週間、ペルナンブコ州アブレウ・エ・リーマ製油所建設に関する汚職疑惑や経営審議会での意見の相違、第3四半期の収支報告の承認の遅れなどでもめており、今回の値上げが国際的な投資家の信頼回復や株価の回復などに繋がるかを疑う声は消えていない。また、大統領選終了の3日後に経済基本金利が引き上げられたのを始め、燃料費や電気料金の値上げなどが相次ぎ、ジウマ大統領は選挙戦に悪影響を及ぼす情報が表面化するのを回避させ、嘘で固めたキャンペーンを行ったという批判も沸きあがっている。
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